2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12876056
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
松岡 栄 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10003112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 正人 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (30301972)
高橋 潤一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20111198)
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Keywords | 細孔容積 / 溶質除去法 / 粗飼料 / 細胞壁 / 第一胃内分解率 / 飼料価値評価 |
Research Abstract |
1.粗飼料の消化は、ルーメン微生物が細胞壁に付着し、それが出す消化酵素が基質に接触することにより開始される。このとき、消化酵素には大きさがあるので、これが侵入できるおおきさの空隙(細孔)が多いほど、消化が進むと考えられる。この関係を明らかにするためには、粗資料細胞壁の細孔の大きさと、容積を数量化する必要がある。そこで、本研究では、粗飼料細胞壁の細孔容積を測定する方法を検討するとともに、その方法により求めた細孔容積と粗飼料の第一腸内分解率との関係を調べるために4つの実験をおこなった。 2.実験1では、木材科学の分野で使われている溶質排除法とよばれる細孔容積測定方法を粗飼料の細孔容積測定に応用することを試みた。その結果、溶質の分子直径の相違ともなう細孔容積の変化パターンは各試料(麦稈、早刈乾草、遅刈乾草)をつうじて一定しており、パルプや紙について報告されているパターンと一致し、粗飼料の細孔容積の測定にも溶質排除法を応用できることが示された。 3.実験2では12種の試料、実験3では16種の試料について、溶質排除法により細孔容積を測定するとともにナイロンバック法により第一胃内分解率を測定した。その結果、細孔容積(実験2:2.75〜4.98、実験3:2.59〜5.10ml/gDM)と培養初期の乾物とNDFの第一胃内分解率との間に高い正の相関がみられた。 4.実験4では、アルファ乾草とチモシー乾草を第一胃内で培養し、培養にともなう細孔容積の変化を調べた。その結果、培養前の細孔容積はアルファルファで5.26ml/gDM、チモシーで4.14ml/gDMであったが、培養にともない段階的に減少し、48時間培養後でそれぞれ1.48、2.45ml/gDMまで減少した。 5.以上の結果から、細胞壁の細孔容積は粗飼料の飼料価値評価において有用な情報を提供するものと考えられた。
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