2000 Fiscal Year Annual Research Report
GLUT4の比較分子生物学-鳥類における高血糖維持機構-
Project/Area Number |
12876058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秋葉 征夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30005631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 幹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (20250730)
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Keywords | GLUT / 鶏 / 高血糖 / GLUTmRNA |
Research Abstract |
鶏には3つのアイソタイプのGlucose transporter(GLUT)が存在しているがその機能や組織分布はほとんど明らかにされていない。そこで、鳥類の血糖維持機構におけるGLUTの関与を探求するために鶏GLUT(未だ鳥類でその存在が報告されていないGLUT4を含む)の組織分布を検討した。 (1) Cytochalasin Bのbinding assay 鶏GLUTの組織分布を明らかにするためにGLUTに特異的に結合するCytochalasinBを用いたbinding assayを行った。その結果、肝臓、骨格筋、脂肪組織、小腸、心筋、腎臓、膵臓、脳、脾臓においてCytochalasinBとの結合が見られ、これらの組織にGLUTが存在していることが明らかとなった。また、ScatchardplotよりKd値を求めたところ骨格筋と脂肪組織では高い値を示し、反対に心筋と腎臓では低い値を示した。 (2) 鶏GLUT1-3mRNA発現およびGLUT4タンパク質発現の組織分布 1)鶏GLUT1-3mRNA発現の検討:肝臓、骨格筋、脂肪組織、腎臓、肝臓、小腸、心筋、脳、脾臓、精巣よりmRNAを精製し、ノーザンブロッティングおよびRT-PCRを行い、鶏GLUT1-3mRNAの組織分布を検討した。その結果、GLUT1およびGLUT2は実験に用いたすべての組織で発現が認められた。またGLUT3は膵臓を除くすべての組織でその発現が認められた。 2)GLUT4タンパク質発現の可能性:同様の組織から細胞膜を調製し、抗ラットGLUT4抗体を用いてウエスタンブロッティングを行いGLUT4タンパク質の組織分布を検討した。その結果、肝臓、脂肪、骨格筋、心筋、腎臓、膵臓において42kDaの位置にバンドが得られ、それらの組織にGLUT4が発現している可能性が示された。 以上の結果から、鶏においてGLUT1-3が各組織に広く存在することは、鶏における血糖維持機構の特異性に大きく関与している可能性がある。また、これまで確認されていない鶏GLUT4が存在している可能性も示された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Seki,Y.,Sato,K,Ohtsu,H.and Akiba,Y.: "Persistent hypoglycemia is induced by tolbutamide administration in broiler chickens fed a low-carbohydrate diet."Domestic Animal Endocrinolory. 20(in press). (2001)