2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12876065
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 智正 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10100174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 淳 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90312404)
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Keywords | ブタ / ニワトリ / RNAウイルス / インフルエンザウイルス / 水疱性口内炎ウイルス / Mx遺伝子 / 変異 / 抗病性育種 |
Research Abstract |
動物はウイルスなどの病原体に攻撃された時、防御機構が働いて感染に打ち勝とうとする。マウスにおいてこの遺伝的要因が明らかにされつつある。たとえば、Mx遺伝子は、インターフェロンにより発現が誘導され、特定のRNAウイルスに対して抑制作用を示す。ところが、家畜のMx遺伝子はcDNAクローニングされたものの、変異の検出については報告がない。家畜において抵抗性・感受性型遺伝子が検出された場合、病気に強い品種を選抜することが可能となり、その意義は大きい。家畜でMx遺伝子について変異の報告がないのは、一品種しか調べられていないことが理由と考えられる。そこで、今回多数のブタおよびニワトリ品種からMx遺伝子をクローニングした。ブタでは15品種の合計341頭のゲノムDNAから最終エクソン14の塩基配列を調べたところ、ランドレースを含めた3品種に11塩基の欠失が検出され結果として8アミノ酸の置換と23アミノ酸の延長が推測された。これらの変異が抗ウイルス活性に対して機能を持つのか現在解析中である。一方、ニワトリの場合、受精胚からMx遺伝子のcDNAをクローニングすることが可能である。実用鶏、日本在来種を含めた15品種のMxcDNAの全塩基配列を決定した。ニワトリMx遺伝子は多型性に富み、25箇所の塩基置換と、そのうち14箇所はアミノ酸置換を伴った。アミノ酸置換を伴うニワトリMx遺伝子のウイルス感染に対する機能的差異を検討するために、文献の白レグの感受性遺伝子と遺伝的距離の遠いと推定されたシャモとナゴヤ種のMxcDNAをマウス培養細胞に遺伝子導入した後、インフルエンザと水疱口内炎ウイルスを用いて感染実験を行ったところ、ナゴヤ種Mxは文献と同じウイルス増殖抑制のない感受性タイプであったが、シャモは明らかに増殖抑制のある抵抗性であった。これらの結果から、Mx遺伝子を利用した抗病性育種は可能と考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Jin, H.K., Yoshimatsu, K.Watanabe, T.他4名: "Mouse Mx2 protein inhibits Hantavirus but not Influenza virus replication."Archives of Virology. 146. 41-49 (2000)
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[Publications] Ables, G.P., Takamatsu, D., Watanabe, T.他5名: "The roles of Nramp1 and Tnfa genes in nitric oxide production and their effect on the growth of Salmonella typhimutium in macrophages from Nramp1 congenic.."Journal of Interferon and Cytokine Research. 21. 53-62 (2000)
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[Publications] Seo, K.W., Kon, T.and Watanabe, T.: "Embryonic hematopoiesis defect in the Tattered-hokkaido (Td^<ho>) mouse."Laboratory Animal Science. 50. 8-12 (2000)
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[Publications] Okamura, T., Gotoh, M., Watanabe, T.他3名: "Molecular cloning and characterization of mouse testis poly (A) binding protein II encoded by Pabp3 gene which transcomplements a meiotic mutant sme2 of S.pombe."Biochemical Genetics. 38. 1-11 (2000)