2001 Fiscal Year Annual Research Report
植物への新規光合成炭酸固定経路の付与をめざして:ホルムアルデヒドの資化能の増強
Project/Area Number |
12876073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉井 桂 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (20025414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60202082)
加藤 暢夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026556)
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Keywords | C_1代謝 / ホルムアルデヒド資化 / 植物形質転換 / ジヒドロキシアセトンシンターゼ / 3-ヘキスロース-6-リン酸シンターゼ / シロイヌナズナ / 光合成的炭酸固定 / 葉緑体 |
Research Abstract |
食糧の増産にむけて、植物の光合成能を遺伝子導入によって高めることを第一の目的とする。また、これに至る途中の産物として、環境浄化能を付与した植物の作出もおこなうことも目指している。イネなどのC3植物においては主要な炭酸固定酵素であるリブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Rubisco)のオキシゲナーゼ活性が不可避的に伴うため、光合成の増強を困難にしている。一つの新しい試みとして、二酸化炭素をホルムアルデヒドに変換し、そののちこれを固定する経路が考えられる。本研究ではまず、C1資化能をもつ酵母や細菌のもつホルムアルデヒド固定経路の酵素を植物の葉緑体に導入し、ホルムアルデヒド資化能を高めた植物の作成を目指す。メタノール資化性酵母のジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHASとDHAキナーゼ(DHAK)を組み合わせると、Rubiscoの反応と同様となる。また、メタノール資化性細菌の3-ヘキスロース-6-リン酸シンターゼ(HPS)と6-ホスホ-3-ヘキスロイソメラーゼ(PHI)の遺伝子を導入することによってもホルムアルデヒドのCalvin回路への導入ができると考えられる。 昨年度は、タバコのRbcS遺伝子のプロモーターとトランシットペプチド部分を用いて、DHASとDHAKを葉緑体で発現させるためのコンストラクトを調製したが、制限酵素部位に見落としがあり、所期のものができておらず、分子サイズが大きいため適当なサイトが見当たらないことがわかった。そのため、今年度は、まずコンストラクトの作成しやすい比較的分子サイズの小さいHPSとPHIの導入からはじめることとした。 2種類のプラスミドの調製を終えたところであり、研究費は途絶えるが、引き続いて来年度は形質転換シロイヌナズナの作成を行う予定である。
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