2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12877035
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古関 明彦 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40225446)
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Keywords | Fkh6 / 胃 / 間充織 / マウス |
Research Abstract |
脊椎動物の胃が形成される過程では、内胚葉に由来する上皮細胞と臓側中胚葉細胞の間の相互作用が必須である。内胚葉由来の細胞は、主細胞、壁細胞、粘液産生細胞、内分泌細胞などへと分化していくが、この過程で、上皮下に存在する臓側中胚葉細胞由来の間充織細胞からのシグナルが必要であると考えられている。逆に、臓側中胚葉が、間充織、粘膜筋板、平滑筋層へと分化していく過程にも、内胚葉由来の上皮細胞からのシグナルが重要な役割を果たすことがしめされつつある。しかしながら、一度完成された胃の機能維持の過程、ポリープや胃がんの発生と発育、ヘリコバクターピロリの感染による胃炎発症の過程などにおいて、上皮細胞と間充織間の相互作用がどのように寄与しているかについての解析されていない。その理由は、それらの過程におえる間充織の機能が全く明らかにされていないことであると考えられる。 そのような間充織の機能を明らかにしていくために、我々は間充織でのみ特異的に発現する遺伝子の同定を試み、Forkhead型のDNA結合ドメインを有する転写制御因子であるFKH-6を単離した。我々は、その機能を解析するために、FKH-6を欠失したマウスを作製したところ、FKH-6欠損マウスの約半分は生後4週間までに死亡するが残りはほぼ寿命を全うすることが明らかになった。全てのFKH-6欠損マウスにおいて、胃から大腸に至る領域で消化管粘膜の異形成が観察された。特に、胃においては胃粘膜の過形成が顕著であり、免疫組織学的な検索から上皮の過形成と主細胞、壁細胞、粘液産生細胞の分布の異常を明らかにされた。さらに、壁細胞は明らかに存在するにもかかわらず胃酸分泌がおこらないこと、それは、開口分泌の障害に基づくことを明らかにした。すなわち、間充織は形態形成だけではなく、胃の機能維持にも積極的に寄与していることを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koizumi,K: "The role of Presenilinl during somite segmentation."Development. (In press). (2001)
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[Publications] Akasaka,T: "Mice doubly deficient for the Polycomb-Groupe genes Mel18 and Bmi1 reveal synergy and requirement for maintenance but not initiation of Hox gene expression."Development. (In press). (2001)
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[Publications] Fukamachi,H: "Mesenchymal transcription factor FKH6 controls gastric epithelial development and differentiation."BBRC. (In press). (2001)
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[Publications] Isono,K: "Molecular cloning, genetic mapping, and expression of the mouse Sf3b1 (SAP155) gene for the U2 snRNP component of spliceosome."Mammalian Genome. (In press). (2001)
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[Publications] Sudo,H: "Inductive signals from the somatopleure mediated by bone morphogenetic proteins are essential for the formation of the sternal component of avian ribs."Dev.Biol.. (In press). (2001)
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[Publications] Takahashi,Y: "Mesp2 initiates somite segmentation through the Notch signalling pathway."Natue genetics. 25. 390-396 (2000)