2001 Fiscal Year Annual Research Report
腸炎ビブリオVNC菌のシグマファクター発現量と転写産物の解析
Project/Area Number |
12877046
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
友近 健一 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (00093691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 純男 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50029782)
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Keywords | 腸炎ビブリオ / シグマファクター / 低温・栄養飢餓状態 / VNC菌 / RT-PCR法 / シグマS |
Research Abstract |
研究代表者等は、腸炎ビブリオの低温・栄養飢餓状態における生存に関わる遺伝子の発現制御を解析する目的で、環境適応に関連した遺伝子の発現に重要な役割を有するRNAポリメラーゼ構成タンパク質のシグマファクターに着目した。腸炎ビブリオは至適増殖条件では非常に強力な分裂増殖能力を示すが、逆に低温・栄養飢餓状態にさらすと菌形が桿菌状から球菌状に変化し、至適増殖条件に戻しても分裂増殖能力を失っていた。この状態の菌は適当な増殖条件下(抗酸化剤等の添加)では分裂増殖能を回復したので、球菌状の菌は生きているが培養不能状態であるVNC菌と判定された。この菌におけるシグマファクターの発現をRT-PCR法により調べた結果、大腸菌では環境適応に関係するタンパク質遺伝子の転写を制御しているシグマSが至適増殖条件での増殖の定常期に強く発現しており、低温・栄養飢餓状態にさらした後もかなり高いレベルで発言が継続していることが明らかになった。他のシグマファクターの発現は低温・栄養飢餓状態にさらすとほとんど観察されなくなり、低温・栄養飢餓状態での生存に必要な遺伝子の発現にはシグマSが重要であることが明らかになった。低温・栄養飢餓状態に適応した菌から抽出したmRNAから逆転写酵素により作成したcDNAを基に作成したライブラリーから選出した7種類の遺伝子について塩基配列の決定を行い、これら遺伝子の発現量をRT-PCR法により調べたがこれら遺伝子に関しては培養条件による遺伝子発現量の違いがほとんど認められなかった。今後は、低温・栄養飢餓状態において特異的に発現している可能性のある個々の遺伝子について詳細な検討を要する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 友近健一: "ビブリオのVNC菌とその衛生学的問題"防菌防黴誌. 30・2. 85-90 (2002)
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[Publications] Miyoshi, S.: "The C-terminal domain promotes the hemorrhagic damage caused by Vibrio vulnificus metalloprotease"Toxicon. 39・12. 1883-1886 (2001)
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[Publications] Bi, K.: "Detection of virulence associated genes in clinical strains of Vibrio mimicus"Microbiol.Immunol.. 45・8. 613-616 (2001)
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[Publications] Alam, M.J.: "Analysis of seawaters for the recovery of culturable Vibrio parahaemolyticus and some other vibrios"Microbiol.Immunol.. 45・5. 393-397 (2001)