2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12877076
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石津 日出雄 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70033157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 敬 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40304307)
宮石 智 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90239343)
山本 雄二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30136379)
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Keywords | DNA多型 / 母体血 / 胎児有核赤血球 / 出生前診断 / 親子鑑定 / マイクロマニピュレーション |
Research Abstract |
本年度の研究経過および成績は以下に示すとおりである。 1.妊娠後期の妊婦母体末梢血を5ml採取した。尚、血液採取に当たっては問診により過去の妊娠歴、流産歴、輸血歴等を明らかにしておくと共に、本研究は実験的段階であること及び病的遺伝子の診断ではないことを十分に説明し、採取に対するインフォームドコンセントおよびプライバシーの厳守など倫理面での配慮を欠かないようにした。 2.まず妊婦末梢血を滅菌生理食塩水で2倍に希釈し、これを比重を1.075および1.085に調製した比重遠心分離液Percollに重層して1600回転で30分間遠心した後、中間層の有核赤血球を多く含有する分画を回収した。 3.次に回収した有核赤血球を滅菌生理食塩水で洗浄後、DAB染色を施し、洗浄後さらに攪拌しながらエタノールを滴下して固定した。 4.エタノール固定した有核赤血球の生理食塩水浮遊液にヘマトキシリンを添加して染色を施した後、その一部をスライドグラス上に載せ、マイクロマニピュレータをセットした顕微鏡で観察して有核赤血球を回収した。 5.マイクロマニピュレーション法により回収した有核赤血球を1個ずつ個別のチューブに取り、Proteinase Kを含有するPCR緩衝液を添加して細胞溶解後、加熱によりProteinase Kを失活させ、チューブに新たにPEP(Primer Extension Preamplification)用プライマーまたはDual-PCR用プライマーを含むPCR反応混液を加えて反応させ、この反応産物の一部を鋳型としてPCR法によりSTR多型のタイピングを行った結果、一部のチューブにおいて、STR多型のタイピングが可能であった。また、母親のDNA型をリンパ球抽出DNAにより同時にタイピングして、有核赤血球から検出されたDNA型が母親のものとは異なることを確認した。 6.また、胎児有核細胞からのタイピング結果を確認するために、出生後の新生児から少量の血液を採取し、DNA型をリンパ球抽出DNAによりタイピングして、有核赤血球から検出されたDNA型が出生後の新生児のDNA型と一致することを確認した。
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