2001 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎に対するDNAリボヌクレアーゼによる遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
12877087
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
桶谷 真 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50274816)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / DNAリボヌクレアーゼ / 遺伝子治療 / 非ウイルスベクター |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)の5'非翻訳領域以外のDNAリボヌクレアーゼの標的領域として、HCVジェノタイプ間で高度に保存されたNS3 protein serine proteaseコード領域を選択し、この領域を標的とする新たなDNAリボヌクレアーゼの作製および、効果を検討中である。またH12年度に続き、最適なDNAリボヌクレアーゼコンプレックス作製の研究を行った。化学的に調製したアシアロ糖蛋白-ポリリジン(ASOR-PLL)およびポリエチレングリコール化PEI(PEG-PEI)を用い、DNAリボヌクレアーゼをそれぞれの割合で混合し、アガロースゲル電気泳動によりフリーおよびコンプレックス化DNAリボヌクレアーゼの割合を調べ、コンプレックス化の最適な比率をDNAribonuclease : PEG-PEI:ASOR-PLL=1:0.7:2.3とした。この条件下でコネチカット州立大学Wu教授の協力によりBrookhaven Instruments社製の粒子サイズ測定装置によりコンプレックスの粒子サイズを測定した。PEG-PEI:ASOR-PLLコンプレックスではEffective diameter:43.4nm、Polydispersity:0.175に対しDNAribonuclease:PEG-PEI:ASOR-PLLコンプレックスではEffective diameter:68.8nm、Polydispersity:0.140であり、コンプレックス化はコンパクトであった。同様の条件でコンプレックス化したHCVの5'非翻訳領域からコア領域を標的とするDNAribonuclease(Dz2-15-15-endおよびDz sense 4-15-15)を用い、標的領域を挿入したルシフェラーゼ遺伝子発現ベクター(pCMV-luc CΔ2)を遺伝子導入したHuH7およびSK-Hep-1肝癌細胞で、経時的にルシフェラーゼ遺伝子の発現抑制効果を測定した。その結果、2μMのDz2-15-15-endではcontrolに対し57%、Dz sense 4-15-15に対し46%の発現抑制効果をみとめた。アシアロ糖蛋白受容体(AGPR)を持たないSK-Hep-1肝癌細胞ではこれらの発現抑制効果はみられなかった。
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