2002 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎に対するDNAリボヌクレアーゼによる遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
12877087
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
桶谷 真 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (50274816)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / DNAリボヌクレアーゼ / 遺伝子治療 / 非ウイルスベクター |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)の5'非翻訳領域以外の新たなDNAリボヌクレアーゼの標的領域として、ウイルスジェノタイプ間で高度に保存された亜鉛結合serine proteinaseをコードするNS3領域やセレニウム依存性のグルタチオンペルオキシダーゼをコードするNS4領域を中心に検索を行っている。またH13年度までに決定した最適なDNAリボヌクレアーゼコンプレックス比率(DNAribonuclease : PEG-PEI : ASOR-PLL=1:0.7:2.3)をベースにして更に細胞内へのDNAリボヌクレアーゼコンプレックスの導入効率を上げる工夫を行っている。最近BalakirevらによりLipoic acid-derived amphiphilies(両親媒性物質)を利用したDNAdeliveryシステムが報告されたが、研究担当者も複数の薬剤を利用し、細胞内レドックス条件を調節し、DNAリボヌクレアーゼの導入効率を上げる試みを行った。また既にC型肝炎ウイルス感染細胞および組織においては細胞内oxidative stressが増加していることが示唆されているが、研究担当者らも実際のC型慢性肝炎や肝硬変では肝細胞内レドックス環境が変化していることを確認した。試用した薬剤のうちArsenic trioxideについては細胞内GSH依存性にアポトーシス誘導作用がみられたことを報告した(Cancer Lett 2002 183:147-53)。またアスピリンについても細胞内レドックス環境の変化に依存して肝癌細胞にアポトーシスが誘導されることを明らかにした(Hepatol Res 2003)。今後はBartenschlagerらのグループが開発したHCVレプリコン(HCV replicons)・ミニゲノム(minigenomes)システムなどを利用し、DNAリボヌクレアーゼの導入効果をみることが必要と思われる。
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Research Products
(1 results)