2000 Fiscal Year Annual Research Report
難治性気管支喘息の病因解明と抗マクロファージ遊走阻止因子抗体による治療の試み
Project/Area Number |
12877091
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 正治 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00208224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西平 順 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30189302)
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Keywords | 気管支喘息 / COPD / MIF / アトピー / 好酸球 |
Research Abstract |
研究1 ヒトにおけるMIFと気管支喘息の関係 健常者,ステロイド投与されている気管支喘息患者,ステロイドを投与されていない気管支喘息患者,COPD患者を用いて血清中のMIF濃度を測定したところ,ステロイドを投与されている気管支喘息患者のみが健常者より有意に高値であった.また,誘発喀痰中のMIF濃度は,3群とも健常者に比して有意に高値であった.種々のパラメーターと誘発喀痰中のMIF濃度との関係を検討したが,COPD群のeosinophil cationic protein濃度および好中球エラスターゼ濃度のみがMIF濃度と相関していた. 研究2 抗MIF抗体のアトピー型気管支喘息モデルに対する効果 BNラットを卵白アルブミンで感作し,アトピー型気管支喘息モデルを作成した. 1.抗MIF抗体を感作時から連続投与し.17日目に行った吸入試験において,以下の結果を得た. 1)感作ラットにおいて吸入誘発後の肺胞洗浄液中のMIF濃度は,未処置群に比して有意に上昇していた. 2)抗MIF抗体は特異的気道収縮を著明に抑制した. 3)抗MIF抗体投与群の肺胞洗浄液中の総細胞数はコントロール(normal IgBG)群に比して有意に減少していた.その分画の検討において,この減少は主に好酸球と好中球の減少によることが判明した. 4)感作ラットでは卵白アルブミンに対する特異的IgGが上昇するが,抗MIF抗体はその上昇には影響を与えなかった. 以上より,抗MIF抗体はアトピー型喘息モデルにおいて,特異的IgEの産生には影響を与えないが,特異的気道収縮および気道炎症を抑制することが示唆された. 2.感作ラットにおいて,抗MIF抗体を吸入誘発直前に一回投与した実験においては,肺胞洗浄液中の炎症細胞数(分画)は抑制されなかった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsujino I, Nishimura M, et al.: "Exhaled Nitric Oxide-Is It Really a Good Marker of Airway Inflammation in Bronchial Asthma?"Respiration. 67. 645-651 (2000)
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[Publications] Kamachi A, Munakata M, et al: "Enhancement of goblet cell hyperplasia and airway hyperresponsiveness by salbutamol in a rat model of atopic asthma."Thorax. 56(1). 19-24 (2001)