2001 Fiscal Year Annual Research Report
レトロウイルス調節遺伝子bel geneを用いた肺線維症実験モデル動物の作製
Project/Area Number |
12877094
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
瀬山 邦明 順天堂大学, 呼吸器内科, 講師 (10226681)
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Keywords | 肺線維症 / レトロウィルス / bel遺伝子 / Human Foamy Virus / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
Human Foamy Virus(以下HFV)の野生株と同等の感染力を持つinfectious full length cloneから調節遺伝子であるbel 1部位をdeleteすると,その感染力は著明に低下し、bel 1はウイルスの感染、増殖に重要な役割を持っていると考えられた。また、HFVを感染させたヌードマウスの半数の肺には、線維化が起こっていたことが報告されている。そこで我々は、ウイルス感染が肺の線維化に及ぼす影響を調べるため、その感染に最も重要な役割を担っていると考えられる調節遺伝子bel 1を用いたtransgenic mouseを作製し、その病理学的検討を行うこととした。.PCAGベクターは、その中に強力なCAGプロモーターを持ち、Transgenic mouseの全臓器でインサートされた遺伝子を強力に発現する。そこでHFVのinfectious cloneをテンプレートとして、PCRでbel1部位を増幅し、それをpCAGベクターへ挿入してpCAG-bel 1 cloneを作製した。B6C3F1マウスを用いて、その受精卵にpCAG-bel 1 cloneをmicroinjectionし、それをマウスの卵管に戻して、bel 1のtransgenic mouseを作製した。Day 21に15匹のマウスが誕生し、そのゲノムの中にbel 1が挿入されているかどうか、生後3週間目に尾からDNAを採取してスクリーニングを行う予定であったが、生後2週間で同室のマウスよりmouse hepatitis virusに感染し、その蔓延を防ぐため、全部屠殺された。その後も何度か同様に試みたが、母親が出産前に途中で死んだり、生後すぐ死んだりしたため、Transgenic mouseの病理学的な検討まで進むことができなかった。Bel 1 geneそのものが易感染性あるいは致死的な作用を及ぼすのかどうか検討中である。
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