2000 Fiscal Year Annual Research Report
発生学を用いた食塩感受性高血圧発症機序及び臓器障害進展の研究
Project/Area Number |
12877103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 敏郎 東京大学, 医学部・附属病院分院, 教授 (10114125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長瀬 美樹 東京大学, 医学部・附属病院分院, 教務職員 (60302733)
高野 幸路 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (20236243)
安東 克之 東京大学, 保健センター, 講師 (60184313)
下澤 達雄 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (90231365)
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Keywords | 血管拡張物資 / 血圧 / 食塩 / 血管障害 / ノックアウトマウス / 臓器障害 |
Research Abstract |
アドレノメデュリン、PAMPは共通の遺伝子より産生される降圧ペプチドである。今回我々はこれらペプチドの生理作用を発生工学的手法を用いて検討した。 アドレノメデュリンノックアウトマウスは胎生致死であるが、器官形成に異常を認めず、胎盤血流にも異常は無かった。アドレノメデュリンは胎児発育に重要な役割を果たしているが、その詳細は不明である。 また、雄ヘテロ接合体に食塩感受性高血圧モデルである、アンジオテンシンII、8%食塩食負荷を行った。心重量/体重比はヘテロ接合体で0.0068±0.0003とワイルド(0.0061±0.0002)に比べ有意に大きかった。また、冠動脈は内膜の増殖、外膜の増殖が著明であった。腎臓の動脈系には異常を認めなかった。ヘテロ接合体では酸化ストレスが著明に増加していた。またアドレノメデュリンは酸化ストレスにより増加するが、ヘテロ接合体ではアドレノメデュリンの欠乏が認められた。このことから、アドレノメーデュリンは食塩、アンジオテンシン負荷による酸化ストレスに拮抗する内因性の物質であり、これら臓器障害に防御的に作用する因子である可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shimosawa T, et al.: "Adrenomedullin Amidation Enzyme Activities in Hypertensive Patients."Hypertens Res. 23. 167-172 (2000)
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[Publications] Nagase M. et al.: "Redox-Sensitive Regulation of LOX-1 Gene Expression in Vascular Endothelium BBRC"Biochem Biophys Res Comm. (In press). (2001)