2000 Fiscal Year Annual Research Report
新しい血管新生因子受容体ncuropilin familyと血管神経相互作用
Project/Area Number |
12877107
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北風 政史 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20294069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 純一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10200156)
大黒 伸行 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00303967)
高島 成二 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | ニューロピリン / 血管新生 / 血管発生 |
Research Abstract |
本研究では血管内皮細胞特異的増殖因子(Vascular Endothelial Cell Growth Factor、VEGF)の受容体であるニューロピリンの心血管系の分化、病態への関与を検討した。本年は、ニューロピリン1及びそれとアミノ酸で約40%の相同性を持つニューロピリン2の両者を欠如したマウスを作成し、血管系の分化に与える影響を検討した。申請者らはニューロピリン2の欠損マウスを作成、さらに他研究室で作成されたニューロピリン1欠損マウスとを掛け合わせた。両者を欠損したマウスでは一方を欠いたマウスに見られなかった重篤な血管発生の異常をきたし発生早期で死亡した。このことにより両ニューロピリンが相補的に血管発生に関与することが明らかになった。その表現型は他のVEGF受容体(VEGFR2)やVEGFそのものの欠損マウスと類似しており、ニューロピリンがこられ既知の受容体と協調してVEGFの刺激伝導系を介して血管発生にかかわることが示唆された。また虚血組織における組織学的検討にて新生血管においてニューロピリンが1-2週間というごく短期間のみ強発現することを見出した。近年、虚血組織に新生血管を増加させる目的にVEGFが臨床投与されているが、このニューロピリンの結果はこういった治療における受容体側の発現様式の重要性を示唆した。今後はさらにニューロピリンの生化学的解析を進めると共に、ニューロピリン等の受容体と血管新生因子との両者を強発現できるような新たな血管新生療法の可能性を探る。
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