2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本人におけるナトリウムチャンネルの遺伝子異常と本態性高血圧の関連についての検討
Project/Area Number |
12877163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 潤 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40133946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 光伸 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30282073)
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Keywords | 遺伝子多型 / 高血圧症 / ナトリウムチャンネル / 大迫研究 / 日本人特異性 |
Research Abstract |
平成12年にて以下の点について研究を終了し、実績を上げた。 1)T594M遺伝子変異の重点解析の終了:現在ENaCのβサブユニットの594番アミノ酸のトレイン(T)からメチオニン(M)への変異を起こす遺伝子変異が最も本態性高血圧と関連すると考えられている。この変異は白人にはなく黒人においてのみ認められているが、日本人では検討されていなかった。我々は、変性勾配ゲル法とPCR-酵素法を用いてこの部位を重点的に精査した。対象は一般住人803例(大迫研究)のDNAとした。その結果日本人にはT594M遺伝子変異がないことが判明した。 2)日本人特異的遺伝子変異の発見:変性勾配ゲルにてT594MではなくP592S遺伝子変異が日本人には特異的に存在することが明らかとなった。頻度は0.5%であった(黒人におけつT594M変異の頻度は数%)。臨床像との解析により、この遺伝子変異は高血圧症に結びつかないことも明かとなった。 以上1)と2)は国際高血圧学会誌に報告した(J Hypertens18:861-866,2000)。 3)βサブユニットとγサブユニット全体のスクリーニング:1)と2)により日本人の遺伝子変異は位置、頻度ともに特異的であることが判明したため、現在ENaC全体のスクリーニングを進めている。現時点ではβサブユニットのエクソン8に白人にのみ認められた位置に同様な変異が存在することが明かとなり、臨床像と合わせて投稿中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Matsubara M,Imai Y: "Japanese Individuals do not harbor the T594 M mutation but do have the P592S mutation in the c-terminus of β-subunit of the epithelial sodium channel."Journal of Hypertension. 18. 861-866 (2000)
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[Publications] Matsubara M: "Genetic determination of human essential hypertension"Tohoku Journal of Experimental Medicine. 192. 19-33 (2000)
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[Publications] Imai Y: "Prediction of stroke by ambulatory blood pressure monitoring versus screening blood pressure measurements in a general population"Journal of Hypertension. 18. 847-854 (2000)
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[Publications] Matsubara M,Imai Y: "Prognosis of isolated systolic and isolated diastolic hypertension as assessed by self-measurement of blood pressure at home"Arch of Internal Medicine. 27. 3301-3306 (2000)
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[Publications] Matsubara M,Imai Y: "Prognostic significance of blood pressure and heart rate variabilities, the ohasama study"Hypertension. 36. 906-910 (2000)
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[Publications] Matsubara M,Imai Y: "Usefulness of home blood pressure measurements in assessing the effect of treatment in a single-blind placebicontrolled open trial"Journal of Hypertension. 19. 179-185 (2001)