2000 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃波を応用した遺伝子導入装置の開発と閉塞性脳血管病変に対する遺伝子治療の確立
Project/Area Number |
12877206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40301048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 宏之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60224531)
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
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Keywords | 粒子導入系 / 衝撃波 / 遺伝子導入 / レーザー / 動脈硬化 / 脳血管性障害 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
1 PDS(particle delivery system)装置の小型化のための物理学的基礎実験 当初我々は、これまで報告されてきたヘリウムガス等の高速気体を利用して衝撃波を発生させる従来のPDS(particle delivery system)の小型改良をめざしてきた。その理由は、閉塞性脳血管病変へ血管内からのアプローチによる遺伝子治療を想定していたためであるが、機器開発をすすめていく過程で、衝撃波を発生させた後のガス処理が大きな障壁となっていた。血管内に不要となった気体を放出する事は脳梗塞の発生を引き起こすため不可能である。そこで、高圧気体を使用せず、レーザーアブレージョンを利用して衝撃波を発生させる方法を着想した。この方法では、上記の問題をクリアーでき、機器の小型化も比較的容易である。さらに、粒子の発射方向もある程度任意に調整できる等、従来のPDSの改良よりも_管内遺伝子導入にとっては好都合であることが予想された。このため、予備実験として、Q-スイッチレーザービームを直径2、3mm程度の平坦な強度分布を持つように形成して、0.01から0.1mm程度の金属箔に照射すると、金属中に容易に直径2,3mmの5km/s平面衝撃波が生ずる事を確認した。この現象は、衝撃波が金属箔の反対の面で反射するとき、その面に非常に大きな加速度が生じることを意味し、DNAを付着させた金粒子を予め金属箔に付着させておけば、PDSとしての機能を十分果たすことができる。また、レーザービームのエネルギー強度を変えることで、金粒子の飛行速度を自由に調節することもできる。これらの結果から、本研究により、数年以内に全く新しい遺伝子導入機器を世界に先駆けて開発することが可能であると考えられた。 2 血管内PDSの試作、実用化 この項目は来年度へ持ち越しとなった。
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