2002 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃波を応用した遺伝子導入装置の開発と閉塞性脳血管病変に対する遺伝子治療の確立
Project/Area Number |
12877206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 明 東北大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40301048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 宏之 東北大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60224531)
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究科, 教授 (40006193)
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Keywords | 粒子導入系 / 衝撃波 / 遺伝子導入 / レーザー / 遺伝子治療 / 脳血管性障害 |
Research Abstract |
我々は独自に開発してきたQ-switched Nd : YAG laser pulse(1.65J/Pulse;6.4 ns pulse duration)を応用したPDS(Particle Delivery System)装置を用い、直径1μmの金粒子を約2000m/sの速度で、目的部位に到達させることが可能であることを示してきた。また、2.0%アガロースゲルを用いた実験系により、一定の硬度を持つターゲットに、エネルギー、stand-off distance、金属泊の厚さ条件を変えることで、ある程度到達深度をコントロールできることも明らかにした。すなわち、金粒子に遺伝子を付着させることにより生体内の任意の部位へ遺伝子導入が可能となりうることが示されたわけである。 そこで、生体組織における到達深度を計測するため、マウスの皮膚および肝臓を標的とした金粒子の打ち込み実験を行った。マウスは3日後にsacrificeして組織標本を作製し、到達深度の計測とともに粒子周囲の局所生体反応を観察した。 皮膚においては、平均約2mmの深さで真皮層に到達していたが、massiveな出血や、粒子進入経路の細胞壊死、炎症細胞の著明な集積などはみられなかった。また、肝臓においても、表面から最大で約10mm平均約4mm到達深度が得られた。粒子周囲には僅かに出血が認められたものの、組織障害はごく軽微であった。 このことから、我々の開発したPDS装置は、金粒子に遺伝子を付着させることにより、安全かつ高率に生体組織に遺伝子を導入できる可能性があることが示唆された。
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