2000 Fiscal Year Annual Research Report
小児脳幹部神経膠腫の細胞周期解析-その増殖能と細胞周期関連遺伝子異常について-
Project/Area Number |
12877208
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 隆一 新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英明 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (70236305)
森井 研 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (20230089)
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Keywords | 小児脳腫瘍 / 脳幹部神経膠腫 / がん抑制遺伝子 / RB遺伝子 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
当施設にてこれまでに樹立、継代され、すでにp53、p16、p21、PTEN遺伝子の変異が検索されてきた成人大脳半球の膠芽腫の培養細胞10株を用いてRB遺伝子(Retinoblastomaがん抑制遺伝子)の変異を検索した。変異の検索はDNA、mRNA蛋白のそれぞれについて検索した。その結果は次の通りであった。 (1)DNAについては、その欠失について13番染色体長腕のl3q14.2に存在するRB遺伝子座のイントロン20内に存在するmicrosatellitc marker Rb 1.20を用いて検索し、10株中7株に一方の遺伝子の欠失(LOH:loss of heterozygousity)の可能性が示唆された。RB mRNAの変異部位に対応する部分のDNAのシークエンスは現在計画中。 (2)mRNAについてはノーザンブロット法にてその発現を検索し、10株中1株(LOH陽性例)で発現の消失が認められた。またRT-PCR(reverse transcription polymerase chain reaction)法による発現の検索では発現消失例はなく、全例にmRNAが認められた。 次に、RBmRNAの変異の検察については、RB mRNAの全長の83%に対してRNA-SSCP法およびシークエンスを行い10株中2株においてRb mRNAの部分的欠損が認められた(いずれもLOH陽性例)。 (3)蛋白についてはウエスタンブロット法によるRB蛋白の発現の解析、およびゲルシフト法によるRB蛋白の機能(E2Fへの結合)の解析を計画中。
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