2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12877218
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉田 憲司 日本大学, 医学部, 講師 (60200987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 三郎 日本大学, 医学部, 教授 (00059271)
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Keywords | ischemia-reperfusin / artery to artery circulation / procine / hypothermia |
Research Abstract |
1.分離脳脳循環の確立 結果:ビーグル成犬を用いて大腿動脈から動脈血を脱血、その血液を冷却してポンプを用い頚動脈から送血する回路、血栓防止に対するヘパリン量やカニュレーション技術について検討した。現在、体温を維持しながら本法(送血温度30℃)を用いることにより平均7分で目標温度の脳温度33℃に、平均10分で脳温度39℃まで降下させることが出来た。へパリン量は90単位/kgを皮下注し、その後500単位/kg/hrをbolus injectionすることによりactivated clotting timeを200秒前後に保つことが出来た。 2. 冷却血液を用いた脳分離循環による脳循環代謝の変化および組織への影響 結果:正常脳に対して冷却血液30℃を最大1時間まで脳分離循環を行い送血したが、組織学(cresyl violet stain)的には変化を認めなかった(n=5)。脳血流はlaser Doppler flowmetryにて測定したが、送血開始平均10分後より脳血流の低下を認め、1時間後には送血前の60%±7.5まで低下した(n=5)。この間,microdialysisを用いて脳組織潅流液のサンプリングを施行、pyruvate,lactate、DHBAを測定したが送血前にくらべ変化を認めなかった。現在、病的モデル(脳虚血再潅流)に対して本法を導入しているが、ビーグル犬では体外循環回路等のprimingにより循環動態が不安定になり虚血および再潅流障害導入に問題が生じだ。虚血再潅流障害の指標であるDHBAの産生が本法により減少した結果を得られるも、最後まで実験の継続が不可能な件数の割合が増加したため、実験モデルを動物種の変更を行った。豚(40-45kg)を用いることによりビーグル犬とほぼ同様の結果が得られた。体重、解剖学構造がヒトと類似点が多いことより、回路等の作成も容易であり、また臨床応用の際にも有用と考えられた。現在、動物種を当初の予定から変更したが、平成13年度の予定である病的モデルでの本療法の脳保護効果を検討中である。
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