2000 Fiscal Year Annual Research Report
関節疾患の遺伝子治療における導入遺伝子の発現制御方法の開発
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12877229
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
久保 俊一 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (20178031)
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Keywords | 発現制御 / ストレスタンパク質 / HSP70プロモーター / 軟骨細胞 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
関節疾患に対する遺伝子治療法をin vivoに応用する際に、導入遺伝子の発現を制御することは重要である。本研究においては導入遺伝子の発現を制御するためにストレス蛋白質の一つで、各種ストレスにより誘導されるheat shock protein70(HSP70)プロモーターに着目しストレスに応じた発現制御が可能であるか検討した。 本実験ではHSP70プロモーターの中でHSP70Bプロモーターを用いた。HSP70Bは、ストレス以外では誘導されない。したがってHSP70Bの発現を制御するHSP70Bプロモーターを用いることで、ストレスが負荷されている状況でのみ、発現を誘導できる。 HSP70BプロモーターをもったLacZ遺伝子を培養軟骨細胞に導入した後、静水圧ストレスを負荷することにより、導入遺伝子を発現させることができた。また内因性HSP70Bの発現が誘導された。これらのことは、HSP70Bを誘導する静水圧ストレスを負荷した時には、外来で導入したHSP70Bプロモーターを活性化して、その下流にある遺伝子の発現を亢進させることを示している。 TGF-β1は成長因子の一つであり、軟骨基質代謝に大きな影響を与えるとされている。TGF-β1は軟骨マトリックスの合成促進因子であり、さらに軟骨細胞のメタロプロテアーゼ産生を抑制し、組織のメタロプロテアーゼインヒビターの産生を亢進する。それゆえ軟骨疾患に対する治療薬として期待されている。静水圧ストレスを負荷した際に、導入したTGF-β1遺伝子の発現の誘導が確認できた。 現在、熱ストレスを負荷した場合に導入したHSP70Bプロモーターを活性化して、その下流にある遺伝子の発現が亢進されるかを検討中である。
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