2000 Fiscal Year Annual Research Report
SDNFと名づけたシュワン細胞由来神経突起伸長因子の同定・精製と神経修復への応用
Project/Area Number |
12877230
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
福山 隆一 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60199271)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏木 信次 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80150572)
矢追 毅 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40311914)
|
Keywords | シュワン細胞 / 神経栄養因子 / 神経突起 / PC12 / 末梢神経 / 神経修復 / アルブミン / カラムクロマトグラフィー |
Research Abstract |
マウスのシュワン細胞由来株細胞IMS32をアドレナリンで刺激すると、ラット褐色腫細胞由来PC12の神経突起を伸長させる因子が細胞外に分泌される。これをSDNFと名付けた。SDNFは100度C10分間の加熱処理で失活する。その精製を容易にするため、IMS32細胞を刺激する時には、蛋白成分として0.5%のウシアルブミン(BSA)を含む血清不含の培養液にて培養している。精製の便を考えるとBSAの濃度はできるだけ低いほうがよいので、SDNFの活性のBSA濃度による影響を検討した結果、SDNF活性はBSA濃度依存性であることがわかった。このことはSDNFがBSAと結合し、これをキャリアーとしていることを推定させる。さらに、BSAの種類を検討したところ、SDNFは脱脂されたBSAにて最大の突起伸長活性を示したが、ヒトアルブミンや卵白アルブミンでは活性が低下した。アセチィル化BSAでは全く活性が見られなかった。これらのことより、SDNFは中性溶液中では陽性に荷電し、アルブミンとはイオンおよび疎水的に結合しているものと考えられた。 次に、セントリコンを用いて、遠心法により分子量を推定した。分子量のカットオフが100kDa、10kDa、3kDaのものを用いて、100kDa以上(f100)、10-100kDa(f10)、3-10kDa(f3)、およびそれ以下(f4)の4つに分画したところ、SDNF活性はf100およびf10分画に見い出された。BSAとの結合を考慮すると、SDNFの分子量は40kDa以下のものと、40kDa以上のものとの2種類以上が考えられる。現在、陰イオン交換クロマトグラフィーを行なうてそのイオン性を調べると同時に、BSA不含の培養液で調製したSDNFを用いて、分子量の推定を行なっている。
|