2000 Fiscal Year Annual Research Report
Knock out mouseを用いた、新しい痛みの実験モデルの確立
Project/Area Number |
12877239
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山本 達郎 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (20200818)
|
Keywords | 摘出脊髓 / 幼弱ラット / slow ventral root potential / knock out mouse |
Research Abstract |
本年は幼弱ラットをの用いて、脊髄後根よりC-fiberを刺激する強度で刺激を行い、その後に脊髄前根より記録されるされるゆっくりとした電位(slow ventral root potential,slow VRP)を再現性良く記録できるように、予備実験を行った。その際、PACAP受容体の作動薬(maxadilan)と拮抗薬(max.d.4)を用いて、PACAP受容体の侵害刺激伝達に対する役割に関する研究を行った。その結果として、PACAP受容体の刺激により前根より脱分極反応が起こることが示された。また、PACAP受容体拮抗薬によりslow VRPが抑制されることが示されたことより、侵害刺激により、脊髄では PACAPが遊離され、このPACAPがslow VRPの発生に深く関わっていることが示された。この結果は、British Journal of Pharmacologyに発表した。この予備実験で、十分に再現性良くslow VRPが記録できるようになったところで、ラットより小さいマウスを用いて、同様のslow VRPを再現性良く記録できるように予備実験を行った。このモデルの妥当性を検証するため、まずnociceptinを用いてその効果を検討した。Nociceptinをマウス脊髄へ投与すると、投与量依存性にslow VRPが抑制されることが分かった。また、nociceptinの拮抗薬であるJ-113397を前処置しておくことで、 noiciceptinの効果が拮抗されることが示された。このことより、幼弱マウスの摘出脊髄を用いたモデルが、十分に妥当性のあるモデルであることが示された。今後は、まず出産後に正常に発育するDAN遺伝子のknock out mouseを用いて研究を進め、最終的には致死的遺伝子のknock out mouseを用いた研究へと進めていきたい。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Y Sakashita, T Kurihara, D Uchida I Tatsuno, T Yamamoto,: "Involvement of PACAP receptor in primary afferent fibre-evoked responses of ventral roots in the neonatal rat spinal cord."British Journal of Pharmacology . (発表予定).