2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体顕微鏡を用いた肺微小循環の可視化解析に関する研究
Project/Area Number |
12877243
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 壽 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90127241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍬方 安行 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50273678)
田中 裕 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90252676)
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50196474)
精山 明敏 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70206605)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70301265)
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Keywords | 微小循環 / 生体顕微鏡 / 肺障害 / 粘着白血球 / 好中球エラスターゼ |
Research Abstract |
我々はラットにLPSを経静脈的投与することにより、肺傷害モデルを作成し、生体顕微鏡を用いてリアルタイムに肺微小循環動態を観察する方法を開発した。この方法により、生体顕微鏡下にスペクトロフォトメーターを用いて赤血球速度・ヘモグロビン酸素飽和度が測定でき、レーザードップラー血流計を用いて組織赤血球数、赤血球速度、及び組織血流量が測定可能である。また白血球をローダミンによってラベルし、CCD高感度カメラを用いて肺内白血球動態の観察が可能となった。 LPS投与群ではControl群と比較して、赤血球速度・ヘモグロビン酸素飽和度が投与後60分で有意に低下し、肺微小血管に粘着する白血球数は有意に増加した。この反応は人工呼吸器によるPEEPを0mmHgから3mmHgにすることによって改善効果が認められた。またLPS投与直前にelastase阻害剤を投与すると、LPSで惹起されるこれら一連の反応が有意に抑制されることが明らかになった。従って、LPS誘発肺傷害の発症機序において、粘着白血球の関与が強く示唆され、中でも好中球エラスターゼが肺傷害の発症に強く関与していることが示唆された。 今後この一連の肺傷害発症機序を明らかにするため、さらに動物数を増やすとともに、サイトカイン抑制剤、ラジカルスカベンジャーなどの投与効果を検証する予定である。
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