2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗炎症性サイトカインとストレス蛋白が敗血症の予後に及ぼす影響
Project/Area Number |
12877246
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片山 浩 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (90161067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 玲子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教授 (50150967)
平川 方久 岡山大学, 医学部, 教授 (70033058)
高橋 徹 岡山大学, 医学部, 助手 (40252952)
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Keywords | 敗血症 / IL-6 / IL-11 / Heme Oxygenase-1 / SIRS |
Research Abstract |
敗血症(Sepsis)は高サイトカイン血症によって特徴づけられ、その重症化には炎症性と抗炎症性サイトカインのバランスが重要な役割を果たしている。Heme Oxygenase-1(HO-1)は、Heme分解の律速酵素であるとともに、その遺伝子解析によりストレス蛋白:HSP32でもあることが明らかとなっており、基質であるHemeのみならず虚血・再灌流、紫外線照射などの酸化的ストレスやサイトカイン(IL-6,IL-11)によって誘導され,細胞保護的に働くことが報告されている。本研究は、SepsisにおいてHO-1とその誘導物質であるサイトカインが生体防御機構に関与しているのではないかと考え、両パラメーターがSepsisの予後推測因子であることを明らかにしようとするものである。本年度の研究では全身性炎症反応症候群(SIRS)患者における炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのバランスがその予後に及ぼす影響を検討するために、まず、術後、高度のSIRSに陥る胸部食道癌術後患者10名を対象に炎症性サイトカインの代表として血中IL-6値を、抗炎症性サイトカインの代表として血中IL-11値を測定した。その結果、IL-6レベルは術後1日目をピークとして著明な高値を示し、炎症症状の消退と共に、対照レベルに復した。一方、血中IL-11値は術前、術後を通して検出限界以下であった。次に、サイトカインとHO-1誘導の関係を明らかにするために、ラットにIL-6およびIL-11を投与し、各臓器のHO-1発現を遺伝子レベルで検討した。その結果、両サイトカインとも肝に著明にHO-1を誘導するが、その誘導様式が異なっていたことから、両サイトカインのHO-1誘導の転写調節機序が異なることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tsutomu Suzuki, et al.,5 persons: "Tissue-specific gene expression of HO-1 and ALAS-N in a rat model of septic multiple organ dysfunction syndrome"Biochemical Pharmacology. Vol.60,No.2. 275-283 (2000)