2系統ヌードラットキメラによる創傷治癒過程の血管新生に関する3次元的形態学的研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12877284
• Research Institution: University of Tsukuba
• Principal Investigator: 清澤 智晴 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (90221217)
• Keywords: キメララット / 2系統ヌードラット / 創傷治癒

Research Abstract

本研究では2系統のヌードラットを用いることによって免疫拒絶色反応を起こさない外科的キメララットを作成した.本研究では組織適合性抗原が異なりmajor mismatchであるにもかかわらず,免疫学的拒絶反応は全く起こらない.さまざまな移植実験を形態学的に検討できる.モノクローナル抗体を用いることによって,特異的にdonor由来かrecipient由来かを組織学的に区別できる.本研究では種々の実験外科に対し極めて広範囲に対応可能な外科的キメラ動物実験モデルとなりうる.ラットはPVGrnu/rnu(RT1^*c,雄PVGrnu/rnu.雌PVG+/rnuの交配)とWAGrnu/rnu(RT1^*u.雄WAGrnu/rnu,雌WAG+/rnuの交配)を用いている.これら2系統のヌードラットは,交配によって繁殖させている.
検体組織は,主に凍結切片を作成し,使用している.移植組織を見分けるために,donorとrecipientを別々の抗体で染色している.蛍光抗体法および酵素抗体染色法により,2重染色を行っている.この結果,移植組織の識別が可能となりつつあり,その細胞動態の観察が行えるようになりつつある.外科的創傷治癒として,もっとも基本的な植皮術における創傷治癒過程が明らかにされつつある.特に移植片内の線維芽細胞と,創傷部の線維芽細胞の位置関係,また,新生血管の由来が判明しつつある.

Research Products

• [Publications] Tomoharu Kiyosawa et al: "Foreign Body Infection of Methicillin・Resisitant Staphylococcus aureus in a Sternal Wound."Annals of Plastic Surgery. 45(3). 339-341 (2000)
• [Publications] Tomoharu Kiyosawa et al: "Eradication of metastatic angiosarcoma in the lower extremity."Scand J Plast Reconstr Surg Hand Surg. 34(3). 269-271 (2000)
• [Publications] 平賀教子 他: "毛巣洞を発症した全身性多毛症の1例"皮膚. 42(3). 286-289 (2000)
• [Publications] Murakami T et al: "Malignant schwannoma with melanocytic differentiation arising in a patient with neurofibromatosis."Br J Dermatol.. 143(5). 1078-1082 (2000)