2000 Fiscal Year Annual Research Report
骨誘導能をもつペプチドの新規開発とペプチド固定化ゲルの骨新生能の評価
Project/Area Number |
12877285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 善彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (50081790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 義久 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30243025)
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Keywords | 骨再生 / 骨誘導 / BMP / アルギン酸 |
Research Abstract |
<目的>BMPは適切な担体とともに生体内に埋入すると有効な骨誘導が得られることは周知である。しかし、初期バーストとタンパクの失活という問題点が指摘されている。そこでわれれれは、BMPファミリーのアミノ酸配列から比較的保存されている配列を選択しその骨誘導能を評価した。担体としては生体内分解吸収性の共有結合架橋アルギン酸を用いた。 <方法>2種類のアルギン酸スポンジ(ポアーサイズが約5μmのものと50μmのもの)にBMP由来ペプチド(NSVNSKIPKACCVPTELSAI)を結合させたデバイスを作成した。これら2種類のデバイスをラット下腿の筋肉内に埋入した。ペプチドを結合していないアルギン酸(50μm)にBMP由来ペプチドの水溶液を含浸させたものををコントロールとして同様に筋肉内へ埋入した。3週間後、2ヶ月後にとりだしHE染色、von Kossa染色等により組織学的検討を行った。また、石灰化部位の微小部X線解析を行った。 <結果>BMP由来ペプチド固定化アルギン酸ゲルでは骨化が見られたが、コントロールでは認められなかった。また、ポアーサイズ約5μmのものの方が50μmのものよりもより広範囲に石灰化が認められた。また、微小部X線解析より石灰化靴がヒドロキシアパタイトであることが確認された。 <結論>BMP様作用をもつより安定で安価なペプチドを作成し、アルギン酸に固定化することで異所性骨化を得ることができた。動物由来の担体を用いないのでプリオン等の感染症の心配もないので、有用な骨再生材料となりうると考えられる。
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