2001 Fiscal Year Annual Research Report
チタン-接合上皮界面上のラミニンの遺伝子・タンパクレベルでの発現・産生とその機能
Project/Area Number |
12877291
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 輝男 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60077667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉成 正雄 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (10085839)
城戸 瑞穂 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (60253457)
後藤 哲哉 九州歯学大学, 歯学部, 助教授 (70253458)
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Keywords | インプラント / チタン / ラミニン5 / 免疫組織化学 / 歯肉 / 接合上皮 / ラット |
Research Abstract |
歯牙欠損治療の選択肢の一つである歯科インプラントは口腔粘膜を貫通し、口腔内に露出しているため、その貫通部位が感染経路になり、結果的にインプラント周囲炎を引き起こし、重篤な結果を招くことがある。インプラント体と骨との結合の重要性と共に、口腔歯肉上皮組織との接着によるインプラント周囲の封鎖がインプラント治療の成功に重要な役割を果たしている。にもかかわらず、口腔上皮細胞とインプラント体との生物学的関係はいまだ不明の点が多い。そこで、我々はラット口腔内にチタンインプラントを埋入する技術を確立し、インプラント体と歯肉上皮との関係を形態学的手法により精査した。その結果、光学顕微鏡レベルの観察ではインプラント体周囲組織は正常歯肉組織とほぼ同様に見えたが、電子顕微鏡での観察において、インプラント周囲上皮は歯根側においてのみ正常歯肉上皮と類似した形態をしめした。さらに、歯牙エナメル質と歯肉接合上皮細胞とはヘミデスモゾームにより接着していることが知られているが、チタンインプラントと歯肉上皮の間がどのように接着しているのかを知るために、ヘミデスモゾーム構成タンパクであるラミニン5の局在を検索した。対照群である正常接合上皮において、ラミニン5は歯牙エナメル質との界面である内側基底板に局在しており、結合組織と上皮との接合部である外側基底板よりも反応が強かった。インプラント周囲組織においてもラミニン5は局在していたが、歯冠側では対照群に較べ少なかった。また、面白いことに歯根側では発現が増しており、上皮細胞にとどまらず結合組織にまで広がった局在を示した。以上のことから、チタンインプラントと上皮との接着や創傷治癒にラミニン5が関与していることが明らかとなった。
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