2000 Fiscal Year Annual Research Report
歯周疾患病原性細菌の病原性機構における飽食因子レプチンの制御作用
Project/Area Number |
12877293
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花澤 重正 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60060258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 玲 明海大学, 歯学部, 助手 (70236454)
下川 修 九州大学, 大学院・歯学研究院, 講師 (40136502)
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Keywords | 成人性歯周病 / 肥満 / リポ多糖 / マクロファージ / サイトカイン / NF-kB / 遺伝子発現 / 転写調節 |
Research Abstract |
ごく最近、興味あることに、成人性疾患の進行と肥満度との間に正の相関関係のあることが報告された。この疫学調査において、歯周疾患の既知のリスクファクター(危険因子)である喫煙者並びに糖尿病患者はその対象から除去されているから、肥満は本疾患の新たなリスクファクターとして考えられる。肥満はレプチンというホルモン様の調節因子により制御されていることが現在明らかにされている。したがい、歯周疾患病原性細菌の歯周組織への付着、侵入、さらにはその感染によって誘導される炎症性サイトカイン発現に関するレプチンの制御機構を研究することは興味がある。 私共はこの点に興味を持ち、リポ多糖誘導性の炎症性サイトカイン発現の重要な転写因子であるNF-kBに関するレプチンの調節作用に注目し研究を企画した。得られた結果を要約するとレプチンがマクロファージ系細胞におけるリポ多糖誘導性のNF-kB活性を著明に抑制することをゲルシフトおよびルシフェラーゼアッセイから明らかにした。また、レプチンはIk-Bの分解を明らかに抑制した。実際にレプチンはリポ多糖による誘導性シクロオキシゲナーゼー2遺伝子発現を抑制し、プロスタグランジンE2産生を抑制した。これらの知見はレプチンが、抗炎症性サイトカインとして機能することに可能性を示唆する。肥満者はレプチン低応答性であることが示されていることから、上記の結果は肥満者の易感染性の原因の一端を示唆するものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 花澤重正: "歯周疾患と生活習慣"CLINICAL CALCIUM. 11,(3)(印刷中). (2001)
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[Publications] Iwahashi H. et.al: "Prostaglandin E2 stimulates AP-1-mediated CD14 expression in mouse macrophages via cyclic AMP-dependent protein kinase A."J.Immunol.. 164(10). 5403-5408 (2000)
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[Publications] Imai K. et.al: "Transforming growth factor-beta inhibits lipopolysaccharide-stimulated expression of inflammatory cytokines in mouse macrophages through downregulation of activation protein 1 and CD14 receptor expression."Infect.Immun.. 68(5). 2418-2423 (2000)