2000 Fiscal Year Annual Research Report
Candida albicansを中心とした感染性徴生物の潜在的腫瘍原性の検討
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12877306
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
前田 伸子 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10148067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 朋子 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50233101)
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Keywords | Candida / プロテアーゼ / ディフェンシン |
Research Abstract |
(1)Candidaの各年齢層における検出頻度:Candidaの疫学的調査を健常人と、いわゆる易感染性宿主を対象に行なった。健常人として各年代層のボランティア(child平均9.6才;N=53、young16.9才;N=78、adult32.7才;N=19,eldery70才;N=594,eldery80才;N=1430)と、易感染性宿主群としてHIV陽性者(N=23)、特別養護老人ホーム(N=111)を対象とした。調査方法はDentcultCAkitおよびカンジダGE培地に舌背からスワブした綿棒を塗抹し、48時間培養後、CFUを測定した。その結果、分離頻度は健常人ではchild;9.4%、young;32.1%、adult;42.1%、eldery70;56.1%、eldery80;59.5%と明らかに年齢の増加とともに上昇し、菌数も同様であった。また、易感染性宿主では同じ年齢層よりはるかに高い検出率であった。したがって、免疫力の衰えとともにCandidaの検出率が高まり、一般的な腫瘍の発生頻度と同じ動向を示すと思われた。 (2)分離株の産生プロテアーゼ:Candidaの唯一直接的な病原因子されるプロテアーゼのSAP familyのうち、口腔粘膜表面ではSAP1-3が優勢と想定されているので、その反応指摘条件で(1)で分離された菌株においてプロテアーゼ活性を検出したところ、差は認められなかった。 (3)宿主上皮細胞の産生する抗菌ペプチド:細菌および真菌感染に対し抵抗する宿主上皮細胞の産生する抗菌ペプチドは数種類知られているが、そのうちdefensin familyであるα-ディフェンシン(HNP1-4)、β-ディフェンシン(HBD)-1および-2(ペプチド研究所、大阪)において感受性を検討した。その結果、HBD-2が最も有効で、次に活性があったのがHNP1-4で、HBD-1は抑制効果が見られなかった。したがって口腔粘膜上皮で構造的に産生されているHBD-1ではCandidaの定着・増殖は抑制されないが、一旦組織に侵入しようとしたり、炎症を引起す場合には感染誘導型のHBD-2により宿主が抵抗することが推察された。
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