2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対する新規光感受性物質NPe6を用いた光線力学療法の応用に関する研究
Project/Area Number |
12877321
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小林 恒 弘前大学, 医学部, 助教授 (50234860)
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Keywords | 光線力学療法 / NPe6 / 口腔癌 / ロイコトリエン |
Research Abstract |
1.マウス移植舌癌(HSC-3)に対する光線力学療法(PDT)の効果 ヒト口腔癌細胞株(HSC-3)をヌードマウス(BALB/c)の舌に移植し舌癌モデルを作製し,NPe6 10mg/kgを静脈内投与した後に100J/cm2のレーザー照射を行った。舌を糸をかけて固定してPDTを行うと平均1mm程度の腫瘍表層の組織破壊が認められたが、血流を鉗子で遮断した状態でPDTを施行しても、組織の破壊はほとんど見られなかった。このことより、PDTを行う際には血流の維持が不可欠であり、舌の固定法に工夫が必要であることが判明した。 2.PDTによる腫瘍細胞死のメカニズムの解明 1)PDTによるアポトーシス誘導の分析 口腔癌培養細胞株に対してPDTを行い、RT-PCRにより遺伝子の解析とサイトカインの関与を検討した。その結果、癌遺伝子としてc-jun/c-fosが、サイトカインとしてIL-6がPDT施行時に強く発現し、アポトーシスを誘導していることが判明した。 2)PDTにおける過酸化脂質の産生に関する検討 口腔癌培養細胞株に対してPDTを行い、上清中に産生される過酸化脂質を測定した結果、PDTによ過酸化脂質の産生と細胞死に関与が認められ、また抗酸化剤の投与によりPDT効果が抑制されることを確認した。このことよりPDTのメカニズムとして活性酸素が強く関与していることが再確認された。 2)PDTにおける好中球接着の関与に関する検討 マウス移植舌癌に対するPDTにより接着分子であるICAM-1の発現を免疫組織学的に、好中球表面1出現するCD11の出現をフローサイトメトリーを用いて検討したが、結果を得るには至らなかった。
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