2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト口腔扁平上皮癌培養細胞株への単純ヘルペスウィルスチミジンキナーゼ遺伝子導入(殺細胞メカニズムに関する検討)
Project/Area Number |
12877326
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
領家 和男 鳥取大学, 医学部, 教授 (20093635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 聡 鳥取大学, 医学部, 助手 (20283989)
小谷 勇 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (10294315)
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Keywords | 遺伝子導入 / アポトーシス |
Research Abstract |
HSV-tk/GCV systemによる遺伝子治療はbystander effectのほかに,宿主免疫の誘導による抗腫瘍効果の増強が大きな特徴である。アポトーシスによる細胞死は細胞融解による表面抗原の損失はないので,至適治療法によりアポトーシスを選択的に誘導できた場合,宿主免疫の誘導の可能性はより高くなると考えられる。 本研究はAdベクターを用いてHSV-tkを舌扁平上皮癌培養細胞株(HSC-3,HSC-4,SCC-KN,HSC-TF)に遺伝子導入し,その殺細胞メカニズムを解明するとともにアポトーシスを励起できるような至適ウイルス量とGCV濃度をin-vitroで検討した。 使用ベクターはAxCA-LacZ,AxCA-tkで,導入効率はAxCA-LacZを種々のMultiplicity of Infection(MOI)で移入し,X-gal染色で評価した。 GCV感受性試験はHSC-3はtkを種々のMOI,HSC-4,SCC-TFを1.25MOIで移入し,MTT assayで評価した。細胞動態の検討はAxCA-tkをHSC-3は5MOI,HSC-4,SCC-KN,SCC-TFは2.5MOIで移入し,GCV1μg/mlを投与し,TUNEL,DNAラダー,フローサイトメトリー,Annexin V-FITCウエスタンブロットで経時的に評価した。 結果は1)tk導入によるGCV感受性は,細胞株により異なっていた。 2)HSV-tk/GCV systemによる細胞死はTUNEL陽性細胞の出現,フローサイトメトリーにおけるPre-G1の経時的増加,Annexin V-FITC陽性細胞の出現によりアポトーシスの関与がうかがえたが,DNAラダーはすべてスメア状であった。 3)ウエスタンブロットでHSC-3,HSC-4でP53は不変であった。SCC-KN,SCC-TFにおいてBcl-2の上昇があった。
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