2000 Fiscal Year Annual Research Report
HIV-cell融合遷移状態を標的とした化学合成ワクチンの開発
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12877348
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信孝 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 雅雄 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10244138)
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Keywords | HIV-cell融合阻害剤 / gp41 / 3-ヘリックスバンドル構造 / HIV第二受容体拮抗剤 / 多剤耐性株 / 化学合成ワクチン / T20 / MAGI細胞 |
Research Abstract |
HIV-cell感染融合段階に重要な役割を果たしているgp41蛋白質を標的とした抗HIV剤および化学合成ワクチンの開発を目的として以下の研究を行った。 (1)強力なHIV-cell融合阻害剤SSC34の発見 文献上比較的強い抗HIV活性が報告されているgp41のペプチドフラグメント(N36およびC34)の分子構造を基に一連の誘導体を分子設計・合成し、MAGI細胞および、MT4細胞をもちいる抗HIV活性を評価した。その結果、C34の両親媒性ヘリックス構造の親水性部を強固なヘリックス構造を取りやすいように変換した一連の誘導体中にサブナノモラーの強力な抗HIV活性を有する新規化合物SSC34を発見した。また、本物質が現在Phase III臨床試験中の膜融合阻害剤T20に対する耐性HIV株に対しても極めて強い感染阻害活性を有することを明らかにした。現在、CDやNMR等の分光学的手法を用いてN36との相互作用と高活性発現の相関関係を精査している。また、申請者らが独自に発見したHIV第二受容体拮抗剤との併用効果および、多剤耐性HIV株に対する有効性に対しても詳細な検討を実施している。 (2)HIV-cell感染融合段階に対する化学合成ワクチンの開発研究 HIV(NL4-3)株をモデルとして、S-保護システインスルフォキシド法およびクロロアセチル法を用いて、N36およびC34の3-ヘリックスバンドル構造の合成を試みた。後者の方法で低収率ながら目的の三量体を得ることができたが、水に対して極めて難溶性のために高い抗体価を有するHIVウイルス中和抗体を誘導することはできなかった。溶解性の改善が大きな課題であり、前項の研究で見いだした水溶性を大幅に向上したSSC34の設計概念をもとに次年度において融合遷移状態を標的としたワクチンの開発研究を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Omagari: "Development of Specific CXCR4 Inhibitors Based on an Anti-HIV Peptide, T140 and Their Structure Relationships Study"Peptide Science. Vol.2000. 129-132 (2001)
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[Publications] T.Ponomaryov: "Induction of the Chemokine Stromal-derived Factor-1 Following DNA Damage Improves Human Stem Cell Function."J.Clin.Invest.. Vol.106. 1331-1339 (2000)
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[Publications] K.Hodohara: "Stromal cell-derived factor-1 (SDF-1) acts together with thrombopoietin to enhance the development of megakaryocytic progenitor cells (CFU-MK)."Blood. Vol.95. 769-775 (2000)
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[Publications] K.Kanbara: "A Study of Anti-HIV Compounds Which Interfere the Virus Entry via Coreceptor CXCR4."感染症学雑誌. Vol.74. 237-244 (2000)