2001 Fiscal Year Annual Research Report
脂溶性薬物の脂質2分子膜への吸着は「非古典的疎性水相互作用」か?
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12877352
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加茂 直樹 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10001976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 敏文 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (30241350)
宮内 正二 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30202352)
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Keywords | 滴定型熱量計 / リポソームカラム / 吸着の熱力学量 / 疎水性相互作用 / tetraphenylphosphonium / tetraphenylboron / リポソーム / NMR |
Research Abstract |
1)化合物(薬物)の希薄溶液を滴定型熱量計のセルに入れ,高濃度のリボソーム懸濁液を滴下して滴定する方法により,ΔHが正確に求まることを示した.この方法によりkdを算出し,その温度依存性からvant Hoffの式で求まるΔHを求めた.これら両者のΔHは互いによい一致を示した.従って,薬物吸着のKd,ΔH,ΔG,ΔSは正しく求まっていると考えられる. 2)構造特似体である,TPPとTPBでは,吸着を駆動する熱力学量が異なる.すなわち,TPPはΔS駆動型であるのに対して,TPBではΔH駆動型である.すなわち,TPPは古典的疎水性相互作用であり,一方TPBは非古典的疎水性相互作用えある.中心電荷のみ異なる構造上の類似体Cナあるこれら両者において,どうして駆動力が違うのか?これについて,NMRで吸着部位を調べたところ,吸着部位が異なるためであると判明した. 3)同じTPBであっても,リポソームの状態(液晶状態かゲル状態か)に依存して,駆動力が異なった. 4)リポソームカラムの溶離パターンの理論を構築し,その実験的検証を行なった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Xue-Ying Liu et al.: "Effect of liposome type and membrane fluidity on drug-membrane partitioning analyzed by immobilized liposome chromatography"J.Chromatogr.A. 913. 123-131 (2001)
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[Publications] Takashi Katsu et al.: "Ion-Selective electrode for transmembrane pH difference measurements"Anal.Chem. 73. 1849-1854 (2001)
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[Publications] Ryoko Tateoka et al.: "Significance of substrate hydrophobicity for recognition by an oligopeptide transporter (PEPT1)"Bioconjugate Chem.. 12. 485-492 (2001)