2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12877362
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小野嵜 菊夫 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (20101313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧井 猛将 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (80244573)
林 秀敏 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (80198853)
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Keywords | 抗酸菌 / 毒力 / ワクチン / 細胞傷害性 |
Research Abstract |
本年度は、以下のような研究成果をあげることが出来た。 1.結核菌の宿主細胞に対する細胞傷害活性に感受性の高いヒト由来細胞株を検索した結果、ヒト肺由来線維芽細胞株MRC-5が高い感受性を示した。 2.結核菌のMRC-5に対する細胞傷害性は、感染細胞からのLDHの遊離と細胞の死滅率が相関していること、DAPIによる核膜の染色像がアポトーシス像と異なること、アポトーシス阻害剤で細胞障害活性が阻害されなかったことから、アポトーシスではないことが明らかとなった。 3.ヒト型、トリ型結核菌のそれぞれの強毒・弱毒株と、副作用があることが報告されているBCGワクチンのPasteur株と副作用のないTokyo株を用いて、細胞傷害活性を検討した結果、動物実験で報告されている毒力相関した結果が得られた。 4.結核症、非定型抗酸菌症の臨床分離株を用いて、MRC-5細胞に対する細胞障害活性を検討した。結核症の臨床分離株は実験室株であるH37Rvより強い活性を示した。また、日和見感染をする非定型抗酸菌症患者からの分離株は弱い活性しか認められなかった。 以上のように、本実験系は、ワクチン株の副作用の評価に、また、臨床分離株の毒力の評価に利用できることが示唆された。尚、本研究の成果をまとめてJ.Interferon and Cytokine Res.誌に報告した。 5.この細胞傷害活性は死菌や菌体成分では認められないこと、サイクロヘキシミドでこの活性が阻害されたことから、感染細胞から、細胞傷害性因子が産生されることが示唆された。現在、この因子の同定を試みている。
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[Publications] T.Takii,C.Abe,A.Tamura,S.Ramayah,J.T.Belisle,P.J.Brennan,K.Onozaki: "Interleukin I or tumor necrosis factor α augmented cytotoxicic effect of mycobacteria on human fibroblasts : Application to evaluation of pathogenesis of clinical isolates of M.tuberculosis and M.avium complexe."J.Interferon Cytokine Res.. (in press). (2001)