2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12877389
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
服部 幸夫 山口大学, 医学部, 教授 (80144955)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 安啓 山口大学, 医学部, 講師 (50243671)
|
Keywords | DMT-1 / 鉄欠乏性貧血 / iron transporter / Nramp2 |
Research Abstract |
経口鉄剤投与でも改善の得られない鉄欠乏性患者がしばしば臨床で経験される。その患者では十二指腸粘膜上皮内に発現する鉄の転送蛋白であるdivalent metallic transporter-1(DMT-1)の異常の可能性がある。DMT-1は鉄を含む2価の陽イオンのみを腸管から粘膜内に取り込む。この遺伝子異常を明らかにすることを目的として、平成12年度には小規模な予備実験を行なった。その結果、大規模なスクリーニングの必要性が生じたために、平成13年度では、患者群(P)(n=28)、および正常対照群(N)(n=30)を対象に行なった。方法は、抽出DNAに対して、PCR-SSCP, direct sequencingを用いて行なった。結果はexon 1a(-321)a→tが6/6(N/P)、exon 1b(nt36)g→aが1/3(N/P)でいずれも有意差はなく、多型性と考えられた。しかし、IVS-VII-12a→gは13/5(N/P)でp=0.0361と5%の危険率で有意差が認められた。つまり、患者群ではIVS-VII-12のg多型が有意に低く、a多型のホモ接合体が多いことが分かった。このことから、鉄剤抵抗性はa多型と関連が深く、a多型と連鎖した異常を有する染色体が鍵を握っていることが示唆された。しかし、このIVS-VII-12の多型自体は何ら遺伝子に異常をもたらしそうにない。exon4 CCT→CTGが患者1検体に認められたが、これはいずれもleuにコードするsilent mutationであった。また患者検体全体で、IRE型の最終エクソン(codon16)の全シーケンシングを行なったが、多型は認められず、鉄剤抵抗性の原因はこの部ではないことが明らかとなった。
|