2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12877403
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺島 美紀子 東北大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (00271958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩飽 仁 山形大学, 医学部, 教授 (50250808)
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Keywords | 悪性疾患患児 / 母親 / 攻撃性 |
Research Abstract |
小児の白血病や固形腫瘍などの悪性疾患は近年治療成績が向上してきたが,それらの病気はなお「不治の病」というイメージが強いため,我が子が「小児がん」という告知を受けた親の衝撃は大きく計り知れない。小児看護では患児の看護のみならずその家族への看護も必要であるが,悪性疾患患児の母親への援助はまだ十分ではない。そこで一番身近で患児を支える母親への看護を検討する際の基礎とするため,悪性疾患の子どもを持った母親の病気の受容過程を,攻撃性の変化から調査している。 調査は東北大学医学部附属病院小児病棟に入院した子どもの母親のうち同意を得られた母親に対して,Buss & Durkee(1957)の攻撃性尺度を中心に,Rosenberg(1965)の自尊感情尺度,大日向(1988)の母性意識尺度,田研式親子関係診断テストを加えて行っている。 これまで収集できたデータでは,入院し病名告知を受けて2〜3日後のBuss & Durkee(1957)の攻撃性尺度のうち,身体的攻撃尺度(10項目),言語的攻撃尺度(13項目),短気尺度(11項目)では平均点が低いが,恨み尺度(8項目)では平均点が高かった。また治療の進行に従って,攻撃性が低くなっていく傾向にあった。 今後はさらにデータを収集し,攻撃性の変化と病気の受容との関連性および自尊感情,母性意識,養育態度との関連性,その他の関連因子を明らかにしていき,悪性疾患患児への母親への看護を検討していく予定である。
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