2000 Fiscal Year Annual Research Report
在宅医療を選択した癌患者とその家族の健康信念、選択に関連した要因、実施後の満足度
Project/Area Number |
12877407
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
寺町 芳子 大分医科大学, 医学部, 助手 (70315323)
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Keywords | 在宅医療 / 癌ターミナル期 / 満足度 |
Research Abstract |
平成12年7月までに本研究の在宅医療の選択という行動に対する前提要因、実現要因、強化要因の内容と要因間の関係について文献レビューにより研究概念を明らかにした。この研究概念に基づき、面接調査時の質問内容どして1.在宅医療に関する情報、2.在宅医療の選択、3.これまでの病気や治療・看病に関する考え方、4.今回の病気について、5.中心静脈栄養法に関して、6.家族や周りのサポートに関して,7.在宅医療の評価に関して、8.費用に関しての8つの項目を挙げ、40の質問項目を決定した。 平成12年8月から首都圏(東京,千葉,埼玉,神奈川)の20施設(17病院,3医院)と大阪・兵庫の4施設(3病院,1医院)に研究協力を依頼し、首都圏では6施設(3病院,3医院)、大阪・兵庫では2施設(1病院,1医院)の研究協力が得られた。研究協力が得られた8施設の内4施設(2病院,2医院)では施設から対象患者への研究協力の依頼が行なわれ、31名の研究協力の承諾を得た。他の4施設では、95名の対象者に研究者から直接郵送による研究協力の依頼を行い、29名の研究協力を得た。 平成12年10月から平成13年3月にかけて58名への面接調査を実施した。現在,在宅を実施している患者・家族に関しては、対象者の状況や倫理的な面からも協力依頼が難しく、亡くなった家族への面接調査となった。分析は今後行なっていくが、面接調査の過程で、在宅医療の選択が癌の治療により"治る可能性があるか否か"によって決定される傾向が見られた。"在宅死"についてはほとんどの家族が在宅医療の開始時には考えおらず、在宅医療で関わる医療者とのプロセスを経た結果として"在宅死"が見られた。今回、面接を行なった家族のほとんどは、行なわれた在宅医療の内容(中心静脈栄養法含めて)や対象患者への家族としての援助、費用に関して満足感を持っているように見られた。
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