2000 Fiscal Year Annual Research Report
繊維材料による油性汚れの払拭に関する評価とその社会性
Project/Area Number |
12878015
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Research Institution | Niigata Women's College |
Principal Investigator |
呑海 信雄 県立新潟女子短期大学, 生活科学科・生活科学専攻, 教授 (90237181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 啓 平安女学院短期大学, 生活科, 教授 (20213077)
佐々木 博昭 県立新潟女子短期大学, 生活科学科・生活科学専攻, 教授 (20123218)
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Keywords | 繊維材料による汚れの払拭 / アクリル毛糸の編み物 / 極細繊維布 / 油性汚れの払拭率の定量 / 全炭素測定 / 汚れの払拭に関する人的判断 |
Research Abstract |
アクリル毛糸の編み物が食器類の油性汚れの払拭に利用され始めて久しい。平成13年に新たにポリエステル、ナイロン極細繊維を利用した払拭用の布が市場に出た。これら払拭用繊維材料は洗剤を使用しなくても油性汚れを払拭できるのが特徴であるが、その定量的評価はなっかた。本研究では油性汚れを全有機炭素量に比例するものとして定量化を試みた。本年はオリーブ油を油性汚れの試料例として、その試料量と全炭素量の比例関係を確認した。実際に食器類から油性汚れを繊維材料で払拭し、その後食器類に残っている油性汚れを定量するには二つの方法が考えられる。一つは直接食器類を粉砕し、全炭素測定装置で測定可能なサイズにし残存量を評価するもので、今一つは完全に近い状態に油性汚れを払拭できる他の材料で残存油性汚れを取り除き、その量を定量する手法である。本研究では、簡便でかつ定量化に信頼性の高い後者の手法を選び実験を行った。先ず、陶器製食器、及び鉄板を一定量のオリーブ油で汚染し、石英繊維で作成された濾紙(市販名Filter Paper Silica Fiber QR100,Advantec)で払拭し、油の100%払拭回収条件を検討し、ほぼその実験条件を確立した。現在アクリル毛糸の編み物、極細繊維布を用いて油性汚れを払拭し、その油性汚れの残量を石英濾紙で取り除き残量を定量中である。 実際に油性汚れの払拭に繊維材料を使用するのは家庭の主婦達である。短期大学の学生達と母親を対象として市販のアクリル毛糸編み物を配布し、油性汚れの払拭に関するアンケート調査を行った。その結果、学生とその母親ともに56%の人達は油性汚れが良く落ちると回答している。本実験での定量結果と、使用する人たちの使用感との相関性を検討していく予定である。
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