2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12878036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
天岩 静子 信州大学, 教育学部, 教授 (60060688)
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Keywords | 知的障害児 / 位取りの理解 / コンピュータソフト / 算盤 |
Research Abstract |
知的障害児にとって、計算に伴う位取りの理解は非常に難しい。位取りの基本はゼロの理解である。考案したコンピュータソフトは、ゼロの意味を理解しやすくするために算盤の原理を適用した。算盤は一の位には9までの数しか入らず、9に1が加わって10になった時には、一の位は「何もない」状態になるからである。 コンピュータソフトを用いての教育内容は、次のようなステップを経るものとした。 1)5個を単位として品物(りんご)をまとめる(透明な袋に入れる)。 2)5個にならないものはバラの状態である。 3)5個入りの透明な袋は、中身を数えなくても5個入っていることを明確にするために、袋に「5」の数字をはりつける。 4)5個入りの袋は上部にある「5の部屋」、バラのりんごは下の「1の部屋」にしか入らない。 5)縦につながった両方の部屋には、あわせて9個しか入る余地がない。 6)あと1個増えたときには、10個になる。 7)10個は5個の袋2つと同じである。 8)5個2つをまとめて、赤い大きな袋(10の袋)に入れる。 9)大きな10の袋は左隣の「10の部屋」にしか入らない。 10)すると、1の部屋も5の部屋も空っぽになる。 11)空っぽになったことを、「0」であらわす。 12)「10」は、大きな袋が1つと、あとは何もないことを表す。
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