2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境中に放出された超微量金属ポルフィリンの検出と存在化学形態変化の探査
Project/Area Number |
12878085
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斎藤 紘一 東北大学, 大学教育研究センター, 教授 (90004457)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北爪 英一 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (00186248)
|
Keywords | ポルフィリン / 化学種分析 / 濃縮 / 向流クロマトグラフィー |
Research Abstract |
環境中に存在する超微量ポルフィリンを分析するためには、高倍率予備濃縮法の適用がが不可欠である。これを開発するため、従来の高速向流クロマトグラフの性能(回転数800r pm)を上回る装置(回転数1200r pm)を試作し、その性能を評価した。新たに開発した装置では強い遠心力が得られるため、内径の細いチューブで濃縮分離が可能になり、濃縮率と分離性能の向上が期待される。微量金属類の濃縮、分離の評価は、Gd,Tb,Dyなどの希土類金属で行なったが、相互分離の難しい希土類金属に関しても、極めて良好な結果が得られた。超微量ポルフィリンの高倍率予備濃縮法の開発に先立って、まずヘキサン-水の二相系を用いて環境水中の油分の濃縮を検討した。海洋、湖沼、河川などの環境水中に含まれる鉱物油、動植物油脂などの「油分」を評価する方法として知られているヘキサン抽出による濃縮・分離の行程を、高速向流クロマトグラフィー(CCC法)で行った。河川水試料について、JIS法とCCC法のヘキサン抽出物質の定量値の回帰分析を行った。その結果、両者での結果の間に強い相関関係が見られ、JIS法の濃縮・分離工程へのCCC法の応用は十分可能であると考えるに至った。JIS法に比較して、CCC法で濃縮・分離を行った方がやや多くのヘキサン抽出物質が定量されたことから、CCCを用いた方が効率良く濃縮できる可能性が高いことがわかった。試料の流入速度を上げることができれば、大量の試料を短時間で濃縮することが可能と見込まれる。この高倍率濃縮法を適用することにより、超微量ポルフィリンの検出が可能になるものと期待できる。
|