2000 Fiscal Year Annual Research Report
受容体型抗体の創製による簡易内分泌かく乱物質測定系の開発
Project/Area Number |
12878088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
片桐 昌直 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00185802)
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Keywords | モノクローン抗体 / エストラジオール / 内分泌攪乱化学物質 |
Research Abstract |
本研究は、蛋白質工学の手法を用い、本来抗体が持っている交差反応性をうまく改変することにより、内分泌かく乱物質に対する結合特性がエストロゲン受容体と類似した抗体(受容体型抗体)を創製し、その抗体を用いたEIAを開発するすることである。この内本年度においては、抗エストラジオール(E_2)・モノクローン抗体の取得と評価、と各モノクローン抗体の一次構造の決定と立体構造の推定を行う計画であった。そこで、まずβ-ESTRADIOL6-(O-CARBOXYMETHYL)OXIME:BSA(6-CARBOXY:BSA)とβ-ESTRADIOL17-HEMISUCCINATE:BSA(17-HEMI:BSA)を抗原とし、各数個のモノクローン抗体を常法に従い調製した。得られたモノクローン抗体のプレート上の抗原に対する反応性を比較し、特に反応性が良かった、クローンB1A1C7(抗E_2-6-CARBOXY抗体)とB4-1C9(抗E_2-17-HEMI抗体)について、さらにメタノール耐性、pH依存性、塩酸グアニジン変性特性の検討を37度と4度にて行った。その結果、B1A1C7は、反応温度4℃においては、メタノール60%存在下でも反応性を保持していた。また、pHについては、酸性側pH4付近までも反応を保持し、アルカリ側では、pH10まで反応性の低下は見られなかった。さらに尿素に対しては6Mまで耐性を示し、グアニジン濃度では3Mまで反応性を保持していた。これらの特性よりB1A1C7は、酵素免疫測定法により適した抗体であることが分かった。現在、本抗体の抗原特異性の検討と共に、抗体産生ハイブリドーマより全RNAを抽出後、オリゴdTカラムによりmRNAを精製し、さらにcDNAの合成を行っているところである。計画より若干の遅れはあるものの間もなく一次構造の情報が得られる予定である。
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