2001 Fiscal Year Annual Research Report
耐震性を考慮した歴史的建造物の保存・再生における意思決定プロセス研究
Project/Area Number |
12878096
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清家 剛 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (60236065)
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Keywords | 歴史的構造物 / 保存 / 再生 / 耐震性 / 耐震補強 / 意思決定プロセス / 構造設計 / 兵庫県南部地震 |
Research Abstract |
本研究では、耐震性を考慮した歴史的建造物の保存・再生事例に着目し、その保存すべき対象と、耐震性を確保するための技術との間での意思決定プロセスを明らかにして、比較・評価することを目的としている。対象は木造の文化財建造物と、外壁を保存した近代建築物とする。 このうち、今年度は、昨年度に引き続き木造の文化財建造物の耐震補強事例における意思決定プロセスを明らかにすることを中心に研究を進めた。研究の方法は文献及びヒアリング調査である。 1.文化財建造物の耐震補強事例のデータベース化 まず、平成11年度に文化財建造物のデータベース化の作業を開始しており、30数件の耐震補強を行った重要文化財について、修理報告書から主たるデータを整理している。これに基づいて、耐震補強の技術を整理した。 2.文化財建造物の耐震補強事例の意思決定プロセス調査・分析 昨年の8事例の調査緒果で得られた知見に基づき、今年度は1のデータの事例すべてについて、構造設計者に対してその検討のプロセスをヒアリング調査し、分析した。その中で、昨年の知見以外に以下の点がポイントとしてあげられた。 ・保存する側と構造側との意見調整のため、基本方針、実施案など複数回案を検討している。 ・これら検討では、初期段階、最終案決定段階、実施段階のそれぞれで内容が異なっていた。 ・耐震性能の目標値については、必ずしも現行法規を満足できるとは限らなかったら来年度は木造文化財建造物に関しては補足調査にとどめ、外壁保存改修のプロセス研究を中心として、日本の事例調査及び免震レトロフィットなども含めた海外文献調査を行う予定である。
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Research Products
(1 results)