2001 Fiscal Year Annual Research Report
短寿命活性種オルソ酸の構造安定化:篭状オルソ酸の合成と活性
Project/Area Number |
12878106
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大船 泰史 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20142078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
品田 哲郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30271513)
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Keywords | 篭状オルソ酸 / 短寿命活性種 / カルボン酸等価体 / テトロドトキシン / ビシクロエノールエーテル / アリリックストレイン |
Research Abstract |
オルソ酸は、エステルの加水分解やカルボン酸のエステル化反応における短寿命中間体であり、テトラヘドラル構造をもつ。加水分解酵素はこの中間体の生成を触媒する。本研究では、極めて短寿命かつ不安定な本中間体を、フグ毒テトロドトキシン(TTX)にならい、そのアダマンタン骨格にオルソ酸(篭状構造)を組み込んで安定に取り出すことを目的としている。その結果、カルボン酸等価体として、(1)神経興奮を抑制するγ-アミノ酪酸、(2)ナトリウムイオンチャンネルを選択的に阻害するTTX類縁体の合成とその構造単純化による神経機能研究のツールの開発、及び(3)エステル加水分解における遷移状態アナログ分子の創出、などに活用が期待できる。これまでに、直接的なシス-1-カルボキシシクロヘキサン-3,5-ジオールの閉環による篭状オルソ酸の構築が実現できないことを確かめている。そこで、篭状オルソ酸形成に必要な、シクロヘキサン環上の1,3,5-トリアキシャル官能基の立体制御法の確立にむけた研究を進め、キナ酸(1,3,4,5-テトラヒドロキシー1-シクロヘキサンカルボン酸)を出発原料とし、1位水酸基への酢酸等価ユニットの導入と、その1,3,5位の官能基変換によるトリアキシャル不安定構造の安定化をへて、目的とするトリアキシャル配置に立体制御された中間体の合成ができた。本年度は、この中間体を用いて、ビシクロエノールエーテル化により3位、5位水酸基を区別する経路や、アリリックストレインの導入(4位水酸基のオレフィン化)による経路を試みた。前者の経路では、酸触媒化、ビシクロエノールエーテル環の構築に成功した。しかしながら、橋頭位の酸化が極めて困難であり、エノール部位のジヒドロキシ化など間接的な経路で、水酸基導入を検討する予定である。後者の経路ではA-ストレインが良好に機能して、トリアキシアル配置をもったα-ヒドロキシラクトンが合成できた。現在、5位の水酸基の脱保護によって、初めての安定オルソ酸形成を試みており、この結果を通じて、上記(1)〜(3)の研究に展開する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Sakaguchi, H.Suzuki, Y.Ohfune: "Chirality Transferring[3,3]Sigmatropic Rearrangement of (1-Acyloxy-2-alkenyl)trialkylsilane. Synthesis of Optically Active Vinylsilane Containing α-Amino Acid"Chirality. 13. 357-365 (2001)
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[Publications] K.Namba, M.Kawasaki, S.Iwama, I.Takada, M.Izumida, T.Shinada, Y.Ohfune: "Novel and Efficient Transformation of α-Amino Nltrile to α-lmino and α-Amide nitriles in Asymmetric Strecker Synthesis"Tetrahedron Letters. 41. 3733-3736 (2001)
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[Publications] T.Vilaivan, C.Winotapan, T.Shinada, Y.Ohfune: "Indium mediated Barbier-type Allylation of Aldimines in Alcoholic Solvents"Tetrahedron Letters. 41. 9073-9076 (2001)