2001 Fiscal Year Annual Research Report
野生マウスゲノムとの出会いにより新たに発症した関節病変とその感受性遺伝子の解析
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12878160
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
能勢 眞人 愛媛大学, 医学部, 教授 (70030913)
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Keywords | 関節炎関節炎 / enthesopathy / 軟骨増殖 / 感受性遺伝子座 / 野生マウス / MRL / lprマウス / ポリジーン / DNA多型 |
Research Abstract |
関節炎を含む膠原病疾患群を自然発症するMRL/Mp-lpr/lprマウスと、この系統とは遺伝的隔たりが約100万年あるとされる野生由来マウスM. m. molossinusの一系統MSM/Msf(国立遺伝研にて樹立)との戻し交配マウスMRL/lpr x(MRL/lpr x(MSM/Msf)F1(N2世代)を作出したところ、その群中、雄マウスの約20%に、もとの両系統マウスには認められなかった新たな関節病変(軟骨増殖性病変)が出現することを発見した。この事実は、alleleの新たな組み合わせにより新たな疾病が発症し得ることを意味し、生物進化における疾病の多様性の起源を説明する上で、またポリジーン系疾患をシミュレートする上で重要なモデルとなる。そこでこの病変の病理学的特性および遺伝様式、感受性遺伝子座の解析を行い以下の成果を得た。 1)軟骨増殖性病変は、足関節に好発し、靭帯の骨付着部に線維軟骨様細胞が軟骨マトリックスを伴って増生し、関節硝子軟骨の増生は顕著ではなく、ヒト強直性脊椎炎等によく見られるenthesopathyのモデルと成り得ると考えられた。2)この病変は、MHCならびにFas欠損変異遺伝子lprに非拘束性で、免疫応答、Fas介在性アポトーシスの関与はないと考えられた。3)N2世代を対象に多型マイクロサテライトを利用したassociation studyならびにQTL analysisによるこの病変のトータルゲノム解析をおこなった結果、昨年明らかにした第18染色体上のDl8Mit99領域(Cpamlと命名)に加えて、第12染色体上のDl2Mit109領域に、共にヘテロ接合体で感受性を示す遺伝子座がマップされた。4)これらの遺伝子座は従来MRL/lprとC3H/lprマウスとの交配系で明らかにしてきた慢性関節リウマチ様の病変感受性遺伝子座(5座)とはいずれも異なる新たな遺伝子座であった。5)これらの領域のゲノム起源は共に、MRL alleleでは、MRLマウスを構成するLG、AKR、C57BL/6、C3H/Niの4系統マウスのうち、LGに由来することが明らかとなった。6)関節病変局所のmRNAをmicrodissection法によるlaser captureにて採取し、これらの位置的候補遺伝子についてreal time RT-PCRにて解析した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kamogawa J, Terada M, Mizuki S, Nishihara M, Yamamoto H, Mori S, Abe Y, Morimoto K, Nakatsuru S, Nakamura Y, Nose M.: "Arthritis in MRL/lpr mice is under the control of multiple gene loci with an allelic combination derived from the original inbred strains"Arthritis Rheum. (in press).