2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12878163
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野水 基義 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00311522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 則雄 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70001857)
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Keywords | ラミニン / ペプチド / キトサン / 細胞接着 / インテグリン / ヘパリン / プロテオグリカン / 神経突起伸長 |
Research Abstract |
ラミニン活性ペプチドはラミニンに比べ遥かに活性が弱く活性の増強が望まれている。本研究では、ラミニン活性ペプチドを複合化することにより、天然のラミニンと同等な活性をもつ生体類似機能性ミニタンパク質・プチラミニンの創製を目的とした。ラミニンのアミノ酸配列をすべて網羅した673種類の合成ペプチドを用いたスクリーニングで最も強い細胞接着活性を示したA13(RQVFQVAYIIIKA),A99(AGTFALRGDNPQG,A208(AASIKVAVSADR),C16(KAFDITYVRLKF),AG73(RKRLQVQLSIRT)の5種類をキトサン膜に化学的に結合させ、種々の細胞を用い接着活性を測定した。キトサン膜にはいずれの細胞も接着しなかったが、活性ペプチドを付加したキトサン膜は細胞特異的な接着活性を示した。線維芽細胞は、キトサン膜にA99を付加したA99-キトサン膜上で細長い伸展を示し、AG73-またはA208-キトサン膜上では星状に伸展した。A13-およびC16-キトサン膜上ではこれらの中間的な伸展が見られた。また、線維芽細胞のA99-キトサン膜への接着は、EDTAによって低下したが、ヘパリンによる影響はみられなかった。一方、AG73-キトサン膜への接着活性はヘパリンによって阻害されたが、EDTAによっては阻害されなかった。この結果から、ペプチド特異的な細胞接着様式の違いはインテグリンあるいはプロテオグリカンといった細胞膜上のレセプターに依存することが示唆された。さらに、PC12細胞の神経突起伸長がAG73-及びA208-キトサン膜上で認められた。次年度は、これらの細胞接着部位を組み合わせ天然のラミニンと同等の細胞接着、神経突起伸張、血管新生などの活性をもつミニタンパク質を創製し、医用工学分野への応用の基礎を構築していく。
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