2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12878167
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
西坂 剛 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (40101084)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 裕一 科学技術振興事業団, 戦略的基礎研究推進事業部, 研究員 (00313718)
|
Keywords | レーザ光誘起応力波 / 非ウィルス性ベクター / プラスミドDNA |
Research Abstract |
本研究の目的は,レーザ光誘起応力波を用い,非ウィルス性ベクターの遺伝子導入効率を高めることにある.今年度実施した内容は, 1パルス波レーザ光誘起応力波の測定 色素(phenol red又はATN-10)を懸濁した培養液をポリスチレン製のculture dishに満たし,dishの底面にレーザ光を照射し,レーザ光誘起応力波の培地中伝播応力波を検出した.レーザ光の波長は,phenol red用;560nm,ATN-10用;460nmをそれぞれ用い,応力波の測定にはAE sensorを用いた.その結果,各色素の吸収ピークの波長において,発生応力波の振幅は最大となり,色素添加量の増加に伴い応力波の振幅が増大した. 2レポータージーンアッセイによる遺伝子導入効率の評価 ヒト子宮頚癌由来細胞(HeLa)をculture dishに播種し,培養液に上記色素およびプラスミドDNA(pcDNA/His/LacZ:8.6kb)を添加した後,dishの底面にレーザ光を照射した.照射24時間後,培養した細胞をglutaraldehydeにて固定し,β-galactosidaseの基質である5-bromo-4-chloro-3-indolyl-β-D-glucopyranoside(X-Gal)を加え,光学顕微鏡にて青色に染色された遺伝子導入細胞を検出した.その結果,レーザ光照射に伴う導入効率の上昇は認められなかった.この原因は,HeLa細胞がdish底面に付着した状態で,dish底面からレーザ光を照射したため,細胞とdish底面の間の色素分子が少なく,結果として膜透過性を高められる程度の応力波が細胞膜において発生し得なかったと考えられる. 今後,導入効率を高めるため,浮遊細胞による同様な実験を行い細胞表面全体に存在する色素分子を増加させたモデルで検討を行う.
|