2000 Fiscal Year Annual Research Report
原因不明不育症とX染色体不活化パターンに関する疫学的調査
Project/Area Number |
12897015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上原 茂樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10168651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 敬也 福島県立医科大学, 講師 (80285030)
平原 史樹 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30201734)
那谷 雅之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70241627)
前田 徹 北里大学, 看護学部, 教授
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Keywords | X染色体不活化の偏り / アンドロゲン受容体遺伝子 / メチル化DNA / methylation-specific PCR / GeneScan解析 |
Research Abstract |
1 X染色体不活化パターンに関する疫学的調査の立案 3回の企画会議を開催し、以下の要領にて調査を実施することを決定した。 (1)調査参加施設は、当面東北大学、横浜市立大学、福島県立医科大学とする。 (2)原因不明不育症婦人(不育症群)100名、自然または人工流産の既往がない2回以上の経産婦(経産婦群)100名、未妊娠婦人(未妊娠群)100名を検索対象とする。 (3)原因不明不育症とは、原因検査で、G分染法による染色体異常、抗核抗体陽性を除く免疫的異常、子宮形態異常、内分泌異常、感染症がない場合とする。 (4)末梢血を検体とする。血液は注射器により採取しEDTA-2Na管に保存し、東北大学へ送付する。所定の説明書により同意を得て、同意書に署名をもらう。 (5)不育症群と経産婦群では、年齢、妊娠・分娩既往歴を検体とともに送付する。 (6)不育症群と経産婦群は年齢をマッチさせる努力をする。 2 X染色体不活化パターン検索法の確立 2回の打ち合わせ会議により、検索法は、DNA検体をbisulfite処理した後、アンドロゲン受容体遺伝子エクソン1のCAG反復配列多型を含む領域についてメチル化されたアレル用とメチル化されていないアレル用の2種のプライマー対にてPCR増幅し、その産物を泳動してGeneScan解析をする。 3 予備調査結果 多型ヘテロ婦人での不活化の「偏り」検出頻度は、不育症群27名中10名(37.0%)、経産婦群23名中4名(17.4%)、未妊娠群42名中4名(9.5%)であり、有意に不育症群で高頻度であった。「偏り」を有する不育症婦人でも2名で生児を得ていた。これにより、原因不明不育症に遺伝的要因の関与が推測された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Uehara S, et al.: "Isochromosome consisting of terminal short arm and proximal long arm X in a girl with short stature"Am J Med Genet. (発表予定).
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[Publications] Uehara S, et al.: "X-chromosome inactivation patterns in 45, X/46, XX mosaics"J Hum Genet. (発表予定).
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[Publications] 寺田幸弘 ら: "原因不明の不育症"周産期医学. 30(9). 1227-1229 (2000)