2000 Fiscal Year Annual Research Report
国際規格による唇顎口蓋裂患者顎顔面発育の多施設比較研究のための企画調査
Project/Area Number |
12897019
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
花田 晃治 新潟大学, 歯学部, 教授 (90013979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正治 新潟大学, 歯学部, 助手 (80195792)
森田 修一 新潟大学, 歯学部, 助教授 (60157899)
石井 一裕 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (40262448)
小野 和宏 新潟大学, 歯学部, 助教授 (40224266)
高木 律男 新潟大学, 歯学部, 教授 (20143795)
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Keywords | 多施設比較 / randomized control trials / 唇顎口蓋裂 / スカンジナビア |
Research Abstract |
今回の企画調査では、Oslo(Norway)およびGoteborg(Sweden)のクレフトチームを訪問しスカンジナビア諸国の多施設比較研究について調査するとともに、その一環としてProf.Semb(University of Oslo,Norway)とProf.Friede(Gothenberg University,Sweden)を招聘し、東京、新潟、名古屋でスカンジナビアの口蓋裂患者管理と多施設比較研究についての講演会を開催した。 その結果、1991年に行われたretrospectiveな多施設間研究の問題点、またより信頼できるevidence baseを求め1997年から行われている多施設比較randomized control trialsの背景、詳細な実施方法、protocol等について明らかにすることができ、さらにその重要性を多くの関係者に伝えることができた。このrandomized trialsでは、10カ所のcleft teamで3つのグループをつくり、各グループとも無作為に振り分けられた患者の約半数を共通の術式で管理するとともに、残りの半数をグループで異なった術式で管理していた。すなわち、このtrialでは4つの術式についてprospectiveに検討していた。 唇顎口蓋裂患者の治療は、出生後から成人までの長期管理が必要とされる。さらに、口蓋閉鎖の時期や術式が、その後の顎顔面成長に大きな影響を与えるのみならず、発音などの機能回復にも強く影響することから、国内各施設がそれぞれに工夫をこらして術式の改良を試み、それぞれの立場で成果をあげている。しかし、その成果の評価も各施設内で行われるにとどまり、改良にも限界があるように思われる。今後、さらなる向上をはかるには各施設が治療経過や結果をprospectiveに比較検討し、その結果を治療システムにフィードバックする必要があると思われる。
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