2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12CE2001
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Research Category |
Grant-in-Aid for COE Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石上 英一 東京大学, 史料編さん所, 教授 (40092134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 譲 東京大学, 史料編さん所, 教授 (00164971)
加藤 友康 東京大学, 史料編さん所, 教授 (00114439)
保立 道久 東京大学, 史料編さん所, 教授 (70092327)
中川 裕志 東京大学, 情報基盤センター, 教授 (20134893)
久留島 典子 東京大学, 史料編さん所, 教授 (70143534)
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Keywords | 日本史 / 日本学 / 日本前近代史料 / 情報学 / 歴史情報統合データベース / 歴史情報の国際発信 / 歴史情報双方向ネットワーク / 日本史用語の翻訳 |
Research Abstract |
1 研究体制の確立 (1)研究グループの発足 双方向的・国際的ネットワーク、事件史年次史料、人物情報史料、史料体の物的解析の4研究グループを発足させ、日本学術振興会特別研究員佐藤晴子氏及び同外国人特別研究員Ineke Van Put氏と共に日本史用語翻訳プロジェクトを発足させた。 (2)情報基盤設備の導入 画像データを中心とした膨大なデータを収納するための画像ストレージサーバシステム(設備備品費。容量2.1TB)を調達、配備した(平成12年10月)。 2 研究集会等の開催 (1)公開研究会 平成12年6月に第1回公開研究会「歴史情報資源研究の成果と双方向化の展望」、同10月に第2回公開研究会「歴史情報双方向ネットワークとアーカイヴズ」を開催し、歴史学関係国内諸研究者・諸研究機関による情報公開の現状及び双方向ネットワークの実現可能性について報告、討論を行った。各々、日本史学・情報科学・文書館学等約70人が参加した。 (2)国際研究集会 平成13年1月、第1回国際研究集会「双方向ネットワークと日本史用語の翻訳」を開催し、欧米及び韓国よりの研究者を含めて約60人が参加した。日本史用語の欧米言語への翻訳の諸問題、日本史用語グロッサリー・データベース構築について討論した。 (3)綱文翻訳研究会(9・10・11月)を開催し『大日本史料』1編1綱文の英語訳について研究した。 3 史料情報デジタル化方針策定と史料稿本デジタル化 (1)画像ストレージサーバに格納する画像データファイル構造を定めた。 (2)約5千冊の史料稿本(『大日本史料』未刊時代分の編年史料原稿)の写真撮影とデジタル化、綱文全文入力を行い、SHIPS for Internet上の編年史料綱文データベース(『大日本史料』既刊時代分)と合せて、887年から1867年までの編年史料基本データベースの構築を行った。 4 各グループの研究 (1)双方向的・国際的ネットワークグループ 公開研究会と国際研究集会を企画し、国内の歴史系データベースの双方向実現、日本史用語翻訳基準研究を通じた国際的双方向日本史データベースの実現方策の研究を推進した。特別研究員・外国人特別研究員と共同して、日本史グロッサリー・データベースのプロトタイプを作成した。分担研究者中川教授と、綱文の機械翻訳や綱文よりの語彙抽出システム開発の可能性について検討を行った。 (2)事件史年次史料グループ 『大日本史料』多角的活用のための大日本史料総合データベースシステムの開発を行った。古代・中世古文書通時代フルテキストデータベースを構築するために、正倉院文書・『鎌倉遺文』のフルテキストデータベースの作成を推進した。 (3)人物情報史料グループ 人物情報データベースの基本構造の検討を行い、花押、近世幕府・公家系譜、中世(鎌倉期・室町期)人名などのデータ入力を推進した。 (4)史料体の物的解析グループ 電子くずし字辞典構築の基礎作業として、文字サンプルDB構築の基礎となる上井覚兼日記などの画像・フルテキストの情報化を行った。巨大史料群の構造分析の事例として上杉家文書、益田家文書の調査を実施した。また、影写本と自治体史料集により、中世後期の文書所在情報調査を、新潟県・静岡県の分について実施した。 (5)外国所在日本関係史料の所在調査と収集 大韓民国、中華人民共和国、中華民国、ロシア、イギリスなどにおいて史料所在調査・収集を実施し、ドイツ・ゲルマン史研究所、イタリア・イエズス会歴史研究所などで史料編纂のありかた、史料情報化などについての調査を行った。 5 成果 (1)史料編さん所と交流のある欧米の日本史研究者に日本史用語翻訳プロジェクト研究について協力を求め、積極的な参加を得る見通しを国際研究集会を通じて得た。 (2)史料編さん所所蔵巨大史料群のデジタル化と統合データベースへの組込みの第1段階として、古代から明治維新まで貫通する史料稿本のデジタル化を実現した。 (3)双方向的ネットワーク上の仮想史料研究室(Virtual Laboratory for Historical Resources)を構築することが可能であることを確認した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 石上英一: "琉球の奄美諸島支配の諸段階"歴史評論. 603号. 2-15 (2000)
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[Publications] 石上英一: "東京大学史料編纂所の外国史料の蒐集事業"大韓民国国史編纂委員会シンポジウム報告集『海外所在韓国史料の収集・移転』. 111-126 (2000)
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[Publications] 保立道久: "現代歴史学と『国民文化』-社会史・「平安文化」・東アジア"歴史学研究. 742号. 2-17 (2000)
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[Publications] 保立道久: "歴史情報と双方向ネットワーク"前近代日本の史料遺産研究集会報告集. 1号(6月刊行予定). (2001)
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[Publications] 横山伊徳: "歴史用語翻訳プロジェクトの構想"前近代日本の史料遺産研究集会報告集. 1号(6月刊行予定). (2001)
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[Publications] 浅見雅一: "キリシタン時代における偶像崇拝について"史学. 70巻1号. 1-35 (2000)
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[Publications] 遠藤基郎: "荘園制収取の構造と変容"歴史学研究. 742号. 39-46 (2000)