2013 Fiscal Year Annual Research Report
化学合成を指向する新方法論としてのレドックス有機触媒反応
Project/Area Number |
12F02034
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸岡 啓二 京都大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KAN Sek-bik Jennifer 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機合成 / 有機触媒 / レドックス触媒 / 不斉合成 |
Research Abstract |
従来の有機合成で頻繁に用いられてきた金属触媒は、単純な有機化合物を有用な化合物へと効率的に変換するために欠かすことの出来ない優れた触媒として、二十世紀の化学産業を支えてきた。一方で、有効な金属触媒の多くは高価であり、また環境汚染や人体へ悪影響をおよぼす可能性があるなど、負の面も多く見られる。このため、製薬企業などでは、人体への影響を懸念し、金属触媒を用いた合成反応が制限されることが少なくない。また、社会的にも、環鏡にやさしい化学合成というものが強く求められるようになり、金属触媒に替わる環境に調和した二十一世紀型触媒の開発が強く望まれている。このような背景から、近年、金属を用いない環境調和型有機合成反応を実現する触媒として、非金属触媒である有機分子触媒の開発が注目されるようになってきた。本研究では、生体内酵素の作用機構を基にこれまでにない新たな触媒作用機構を示す有機触媒の開発を目的とし研究を行っている。これまでに、多くの有機酸、塩基、酸-塩基複合触媒が開発され実用的有機合成が達成されてきたが、本研究ではこれまでの触媒とは作用機構が異なるレドックス有機触媒を新たにデザインし、有機合成における新たな方法論の開拓を目指している。本年度は、目的とする反応における反応性の獲得に主眼を置き、まずは反応活性種を当量力用して検討を行った。現在のところ、目的の反応を進行させられることは確認しており、より効率の高い反応系を確立するために、触媒反応への展開について検討を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の反応を進行させられる反応条件を見出しており、順調に成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究は、当初の計画通り順調に進んでいるため、本年度も当初の計画通り研究を進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)