2014 Fiscal Year Annual Research Report
非線形相転移を有するポリイオン液体を用いた可変選択性HPLCの実現
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12F02038
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊原 博隆 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (10151648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GURAGAIN Sudhina 熊本大学, 自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 液体クロマドクラフィ / アミノ酸 / 超分子ゲル / 核酸塩基 / 光学分割 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、アミノ酸をベースとする4種類のキラルな超分子ゲル形成物質を設計・合成し、これらを多孔質シリカ粒子に固定化することによって液体クロマドクラフィ用分離剤とした。研究成果を下記のように要約する。 (1)リシンの2つのアミノ基を通じて、アミド結合あるいはウレタン結合によって長鎖アルキル基を導入した。両者ともに有機溶媒中で配向集合し、超分子ゲルに特徴的な性質を示した。これらの超分子ゲル形成物質を多孔質シリカに固定化し、親水性相互作用モードでの液体クロマドクラフィを核酸塩基類に対して実施すると、市販の分離剤と類似したゲスト分子の溶出順序が得られるだけでなく、著しく高い保持係数(すなわち、ゲスト分子との相互作用が大きい)が観察された。ただし、選択性についてはアミド結合あるいはウレタン結合で若干の相違はあったが、大きな差異は見られなかった。一方、順相モードにおいてビナフトールのエナンチマーに対して分離を試みたところ、アミド結合型有機相ではほとんど分離が見られなかったが、ウレタン結合型有機相で顕著な光学分割能が発現し、有機相の水素結合が重要な役割を担っていることが推察された。 (2)グルタミン酸およびα-アミノアジピン酸をベースに、二つのカルボキシル基を経由して長鎖アルキル鎖を導入した超分子ゲル形成物質を作製し、これらを多孔質シリカに固定化して新規の液体クロマドクラフィ用分離剤とした。期待通り、両者は多環芳香族類の構造異性体に対して高い分子形状識別能を示したが、とりわけα-アミノアジピン酸誘導体において選択性が高くなることが明らかになった。基本構造の相違はわずかメチレン鎖一個分にすぎないため、今後、このメカニズムについてさらに詳しく調査することにより、より高い選択性を与える分離剤の開発が可能になると期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)